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井口可奈のお笑いライブ偏愛日記:第17回 にぼしいわし『にぼしいわしの何卒宜しく』

小説、俳句、短歌などを書く井口可奈が、訪れたお笑いライブを熱く語る連載、第17回。前回の「船引亮佑『深夜大喜利』」も読む。

text: Kana Iguchi

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公演日:9月30日
公演名:にぼしいわしの何卒宜しく

にぼしいわし『にぼしいわしの何卒宜しく』のフライヤー

にぼしいわしが本拠地を東京に移してくる初日のライブとあって、ぜひ見届けなくては!とチケットを取りました。満席の武蔵野公会堂がお客さんのわくわくに満ちていて、思わず嬉しくなってしまいます。

オープニングでにぼしいわしが出てきたとたん拍手が湧き起こります。今日ネタをする芸人たちも登場し、みんな大阪に来てもらったこともある人たちだ、と嬉しそうににぼしいわしは言います。

ネタパートでは、特にあくびぼうやの漫才と、永田敬介の明転した瞬間から話の始まっている漫談を面白く観ました。カナメストーンが漫才のつかみで、新幹線で上京を決意するにぼし、という真似をしてみせたのもとても面白かったです。

そして、漫才でしっかり見せるにぼしいわしが素晴らしかったです。客席までも巻き込んだ漫才はどこへいくのか、にぼしいわしを見ているとサーカスのようだなと思います。

心躍らされるようなボケが続いていく、大きな展開があってしかしきちんと着地する、一本の漫才の中でこころがしっかり動かされる独自の漫才師です。

エンディングトークはにぼしいわしに芸人たちが各事務所のいいところを宣伝するという企画。ジンセイプロはホワイト企業で、マセキに入るとキモくなれる(各芸人の主観です)と盛り上がり、ライブは終演しました。

大阪のライブシーンを盛り上げてきたにぼしいわしが上京してきたということは、今までよりさらに売れたい、と真剣に考えているからなのでしょう。今後が楽しみです!

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