公演日: 8月19日
公演名: 『HAVE A NICE DAY!』
ふたりのピン芸人、ひかるぶんどきとおべんとばこのツーマンライブには、ひかるぶんどきがさみしさのあまりにTwitterでのスペース機能で毎夜のように行っている配信、通称『ぶんスぺ』のリスナーが押し寄せました。
ふたりのユニットである〈ねえ、こっち見てよ〉のネタが4本、ピンネタをそれぞれ3本、ゲストのカントリーズ、スクールガール・ファンタジーが1本ずつネタを披露するボリュームたっぷりのライブで、とても濃い時間を楽しむことができました。
また『ぶんスぺ』でよく使われる言葉がライブ内でも飛び交います。たとえば「1,200円」。お母さんとひかるぶんどきがふたりでくら寿司に行き、茶碗蒸しなども頼んでお腹いっぱいに食べたら、ふたりで1,200円だった、というスペースでの定番話がネタ中で落語のまくらとして使われました。
しかし内輪ネタに終わらず、そうでなく笑える部分もたくさんありました。
ひかるぶんどきは人を愛したことがないと公言しています。誰かとお付き合いしたこともなく、しかし人を愛したいという気持ちは誰よりも持っている、そんな彼の描くネタは愛のことばかりで、その愛はとても自由です。天使と悪魔が愛し合ったり、女性同士が愛に溺れたり、種族も性別も問わない愛がそこでは繰り広げられ、まだ愛を知らないひかるぶんどきによって拡張されていきます。ひとりコントを行うコメディアンとしての立ち回りは一流で、大げさな動きと繰り返しに何度も笑わされてしまいました。
ひかるぶんどきはさみしさから逃れられない。ライブのオープニングでも「ライブって始まったら終わっちゃう」と駄々をこねていました。
みんなにしっかり愛されてるって、いつか気がつく日が来ることを願います。