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“吉祥寺より西”に宿る 古本屋の新星へ。〈おへそ書房〉

2019年、中央線沿線の武蔵野、国分寺エリアに、新しい古書店が数軒オープンした。時間の流れもゆったりした郊外の住宅地は、本とじっくり向き合うのに程よい環境なのだろうか。目指すべき注目の古本屋へ、いざ。

Photo: Ayumi Yamamoto / Text: Tomoko Kurose

住宅街ならではの「おへそ文庫」を計画中。
おへそ書房(武蔵境/東京)

武蔵境駅北口から徒歩5分のところに2019年7月にオープン。武蔵境は昔からあった書店が次々閉店し、歓迎されている感じがあると店主の小宮健太郎さんは語る。

「隣がラーメン屋さんとスーパー。帰りに立ち寄ってくださるリピーターさんが多いんです」

親子連れを期待し絵本や暮らしの本を充実させていたが、実際の客の年齢層は幅広く、持ち込みでほかのジャンルも充実してきた。入口は、文庫本を包装紙で包み、表に冒頭の数行だけ書き出した「マスク本」を展開。

ひっそりと展開しているのは、小宮さんセレクトの「おへそ文庫」。思春期の子供が読めば支えになるような本をリストアップしている。誰かの部屋にいるような居心地のよさだ。

吉祥寺 おへそ書房 小宮健太郎さん
店主の小宮さん。独立前は新刊書店に勤務していた。