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UKジャズのキーマンが響かせる新しいダブ。ジョー・アーモン・ジョーンズの来日ツアーが決定

ジャズやアフリカ音楽、ヒップホップにトラップなど、新旧問わず、さまざまなダンスミュージックを生演奏でミックスし、新しい音楽を作り続けるUKのグループ、エズラ・コレクティヴ。世界中から生まれる新しいジャズを常に牽引する存在だ。そのバンドの鍵盤楽器を担当しているジョー・アーモン・ジョーンズが、待望の単独来日ツアーを行う。どんなステージになるのだろうか。

text: Katsumi Watanabe

「来日公演では、ブラック・ミディのモーガン・シンプソン(ドラム)、ヌビヤン・ツイストのルーク・ウィンター(ベース)と一緒にパフォーマンスを行う予定。日本では友達に会ったり、音楽機材を買いに行ったりしたい。沖縄にも行ってみたいな」

最新EP『Ceasefire』は、2024年5月に発表した『Wrong Side Of Town』に続き、レゲエ/ダブにフォーカスした楽曲。ダブとは、ある楽曲に対し、エコーなどのエフェクトを施し、別の楽曲に作り変える音楽的な手法。音楽家であると同時に、自らの曲のミキシングなども手がけるジョーンズだからこそできる作風。

「2枚のEPは、新しいアルバムへと繋がる大事なものだから、来日公演でも演奏するよ。僕がダブからインスピレーションを受けるのは、即興の要素が含まれているところ。ジャズのソロパートと同様、音楽的な判断がリアルタイムで行われ、瞬間的にフレーズが生み出される。制作中にフロー(集中した状態)へ達する瞬間が来ることは、音楽家にとって特別なもの。さらにダブという手法は、ダンスミュージックに影響を与え続ける一方、ジャズなどの過去のものからも影響を受けていて。音楽全体の発展において重要な役割を果たしてきたものなんだ」

温故知新ともいうべきか。新しいライブミュージックが聴きたい人には、必見のライブになりそうだ。

『Ceasefire』
レゲエ/ダブをテーマにした連作EPの最新作には、ジャマイカのランキン・ジョーが参加。今年5月に発売した『Wrong Side Of Town』には南ロンドンの盟友、サックス奏者のヌバイア・ガルシアが参加している。