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どこを採点してるの?日本ボディビル・フィットネス連盟に聞いてみた

ボディビルがなぜか気になる。そもそも競技としてのボディビルは、どういう評価になっているのだろう。ポージング、肉付き、大会の流れ、水着。はちきれんばかりの笑顔にもワケがある。

Text: Shigeo Kanno

健康的な体づくりを目指して筋トレに励む人々が増えている。テレビやユーチューブでは、筋肉自慢の芸人たちが活躍しているし、巷にはパーソナルトレーニング施設も増加中だ。トレーニングを重視する競技でも頂点といえるのが、ボディビルである。

ひと昔前には、ストイックに体を鍛えているコアな人たちという認識が一般的だったかもしれないが、現在では、実に幅広い層に人気があるようだ。今回お話を伺ったのは、(公社)日本ボディビル・フィットネス連盟で、常務理事 競技ルール委員長 広報委員会委員長を務める辻本俊子さん。僕らが知らないボディビルの基本知識をレクチャーしていただいた。

日本のボディビルの競技人口は?

「現在は、約6000人の登録者がいます。これは、あくまでも登録者数なので実際には、競技人口はもっと多いと思いますね。国内の各地域に連盟が組織化されていて、個人でも団体でも登録ができる仕組みです。登録者には、講習制度を設けており、アンチドーピングの教育を徹底しています」

相澤隼人_ボディビル
22歳で日本ボディビルチャンピオンに輝いた相澤隼人選手。

どんな種目があるの?

「男性のボディビルは、ボディビル、メンズフィジーク、クラシックフィジークの3つの種目に分かれ身長別にクラス分けされています。最も歴史のあるボディビルは、筋肉を鍛え上げて大きくし、そのたくましさや迫力によって採点される種目です。

メンズフィジークは、ここ最近のボディビル人気の火付け役と言われている種目で、膝丈のボードショーツ着用で上半身の筋肉の大きさやバランスを重視します。逆三角形のシルエット、腹筋などが審査の対象。ただパーツが大きいというだけでは優勝はできませんし、髪型や笑顔を含めた爽やかさも重視されます。

そして、クラシックフィジークは、2016年に世界ボディビル選手権で始まった新しい種目。上記2つの種目の要素を併せ持ったカテゴリーで、主にウエストの細さ、肩幅の広さ、太ももの評価が加わります。

また、女性のボディビルには、美と健康に着目した女子フィジーク、ビキニフィットネス、ボディフィットネスという3種目があります」

競技の流れは?

「ボディビルの大会では、リラックスポーズと規定ポーズを披露するピックアップ審査を行い、セミファイナル、ファイナルと進みます。それぞれの種目により、規定ポーズの種類と数が決まっており、ファイナルまで進むと一人ずつフリーポーズを披露する機会が与えられます」

*メンズフィジークは、予選から決勝までクォーターターンで審査される。

競技に年齢制限はあるの?

「16歳から参加が可能です。最近では、高校生大会(16歳〜18歳)やジュニア大会(16歳〜23歳)も盛んです。ボディビルは、競技を長く続けている人が多いので、40代、50代の競技者もたくさん参加しています。大会では、70代、80代の部門もあり、現在の最高齢チャンピオンは、85歳です」

ボディビル_表彰式
日本マスターズボディビル選手権 80歳級 表彰式。優勝は85歳!

衣装にルールはあるの?

「ボディビルは、通称“ビルパン”と呼ばれる着用時の脇幅が2cm以上のポージングトランクス、メンズフィジークは、ストレッチ素材以外のボードショーツ、クラシックフィジークは、横幅15cm以上で、股下は大腿筋上部が確認できる長さのショートショーツというルールがあります。

共通してどの種目でもビニールやエナメルで光沢加工した素材はNGです。万が一、過度な露出が認められた選手は失格または減点となります」

初心者が参加しやすいのはどの競技?

「現在人気があるのは、メンズフィジークですね。筋肉の大きさだけでなく、髪型、爽やかな笑顔など、全体的なカッコ良さと美しさのバランスを披露する種目なので、比較的若い参加者が多く、初心者にも挑戦しがいのある種目です」

健康的に体を鍛え上げ、トレーニングの成果による体の変化が楽しめるのがボディビルの醍醐味だ。日常生活と体にキレを求めるなら一度はトライしてみては?