1950年代に入り込んだジャズは、今黄金期か
語る人:キム・ミンジュ(ライター、編集者)
韓国にジャズ文化が本格的に入ってきたのは1950年代後半です。この時期に活動した韓国第1世代の演奏者たちは、主に米軍基地の近くにあったジャズクラブで、スウィングやビバップに始まりフリージャズまで幅広く演奏し、後の世代にも影響を与えました。
70年代には〈All That Jazz〉〈Janus〉といった今も営業する伝統的なクラブが誕生し、演奏者たちの活躍場所が米軍基地から移り、広がりました。今は以前と比べると、ジャズが大衆に身近になったと思います。
まず、ユン・ソクチョル、ソヌジョンアなど、ジャズの伝統性とポップな趣向の両面を持ったミュージシャンが現れ、音楽のメジャーシーンで活躍するケースが多くなりました。音楽理論をよく理解しているジャズミュージシャンは他ジャンルとのコラボにもうまく適応し、良いシナジーが生まれるという認識が定着したようです。
また食事が可能なジャズクラブやフェスなどの環境が、自由かつ気軽に様々なことを楽しみたい若い世代の価値観と噛み合い、ライブ現場にも若者が増えました。

韓国ジャズを世代で渡る3枚
韓国のビリー・ホリデイとも呼ばれるボーカリストの1作目。 韓国の第1世代ジャズミュージシャンが多数参加しています。
今日の韓国のジャズシーンを代表するピアニスト、ユン・ソクチョルが率いるトリオ。EPですが密度の濃い作品です。
韓国ジャズ界期待の新人サクソフォニスト。まるで全盛期のオーネット・コールマンを聴いているかのような力が溢れています。