ニッポン昆虫館案内〈名和昆虫博物館〉。美しいレイアウトに心酔、圧巻の美蝶コレクション

全国に点在する昆虫館。国内屈指の虫愛好家でもあるスタッフたちが、日々マニアックな目線で展示に工夫を凝らしている。動く昆虫を眺め、標本のコレクションに唸る、至上の虫スポット、昆虫館へ出かけよう。

Photo: Kazufumi Shimoyashiki / Text: Keiichiro Miyata, Shiho Yoshida

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名和昆虫博物館(岐阜/岐阜)

美しいレイアウトに心酔。日本最古の
昆虫館による、圧巻の美蝶コレクション。

設立者は、農業の発展に欠かせなかった害虫駆除のスペシャリストとしてマルチに活躍した昆虫翁こと、名和靖。〈名和昆虫研究所〉の付属施設として1919年に開館。

以来、その精神と武田五一による近代建築の館は一族によって守り継がれ、現存する昆虫専門博物館では日本最古となる。「美しく、カッコいい。そんな虫の姿を伝えたい」と話すのは、5代目館長の名和哲夫さん。

名和昆虫博物館の館内
標本は岐阜に生息する昆虫から世界の昆虫までを網羅。その数約1,000種。生体展示は6種ほど。

主となる展示物は各地域が世界に誇る代表的な昆虫標本。標本作りの参考にしたい集合美を意識した独自のレイアウトも見どころの一つだ。また生体展示コーナーでは、名和靖が発見した日本固有種、ギフチョウを通年展示。春には羽化した個体を見ることができる。

名和昆虫博物館・ゴライアストリバネアゲハ
極彩色の世界の蝶コーナーより、ゴライアストリバネアゲハ。

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