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昆虫標本の愉しみかた。標本作家の福井敬貴さんのコレクション

昆虫趣味の醍醐味の一つが、標本の「蒐集」と「制作」だ。手に入れた標本を好みのスタイルに整えて、保管用の箱へ。まずは、標本作家の福井敬貴さんのコレクションを拝見!

Photo: Keisuke Fukamizu / Text: Shogo Kawabata

昆虫標本は、美しく整えられてパッケージされた既製のものも売られているが、自分で標本を仕立てる方法を覚えることで、その楽しみ方がぐっと広がってくる。特にマニアックな種類になると、標本として整えられていない状態で販売されているものも多く、その際に、自分で脚開いて仕立てる「展足」という作業が必要となるのだ。

標本作家・福井敬貴さんの標本コレクション
標本作家の福井敬貴さんのコレクションたち。分類ごとに並べるだけでなく、オブジェのように昆虫を配置した箱を作るのも楽しみの一つ。複数の標本箱を収めるための専用キャビネットは特に壮観!

展足には様々な種類があり、平面的で比較研究に適した「日本型」のほか、立体的で鑑賞に向いている「欧州型」、さらに、生きている時の姿を再現する「立体標本」など、好みで選ぶことができる。完成した標本は、湿気や虫がつくことを防止するために標本箱へと収めて保管するが、美しく仕立てられた標本は、箱に収めた時の姿も実にさまになる。

悩み抜いた末に辿り着いた美しいレイアウトには、いつの間にか時間を忘れさせられてしまう魔力があり、ホビイストとしての至福の時間を堪能することができるだろう。

標本作家・福井敬貴さんの整然と並べられた昆虫標
自分のお気に入りを集めた「推し箱」。きっちりと収まるように仕立てられた標本は、多様な昆虫が混在しても、整然とした印象となる。