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インディーゲームガイド「個性豊かなビジュアル」編。作り込まれた世界観をじっくり堪能できる5作品

はじめての人にも、そうじゃない人にも。大人が夢中になれる、とっておきのインディーゲーム64作を有識者たちが厳選、13のキーワード別にご紹介。

text: Sayawaka, Younashi, Shuka Yamada / edit: Kohei Hara, Shunsuke Kamigaito

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Cuphead(2017)

developer:StudioMDHR
対応機種:Switch/PS5/PS4/Xbox/PC

さながら米国カートゥーンアニメーション

1930年代の米国カートゥーンアニメを偏愛する兄弟作家によるアクションゲーム。映像のボケやノイズのような粒子感、ドタバタ喜劇的なキャラクターの動きなど、自分で操作しているのが信じられないほどカートゥーンアニメそのものの世界が広がる。時代感を演出する洒脱なジャズを使用したサウンドトラックも秀逸。

「ゲームの難易度は高いですが、とにかくビジュアルや雰囲気が最高。お試し感覚でプレイするだけでも、そのすごさを実感できるはず」(さやわか)

ゲーム『Cuphead』
©StudioMDHR Entertainment Inc. 

Pentiment(2022)

developer:Obsidian Entertainment
対応機種:Xbox/PC

16世紀ヨーロッパのアートスタイルを再現

宗教改革に揺れるヨーロッパを、採飾写本や木版にインスパイアされたイラストで表現。登場人物のバックグラウンドによって異なるタイポグラフィが使い分けられるなど、“当時の芸術家が見た世界”を味わいながら、主人公は画家のアンドレアスとなって殺人事件の真相を追う。

「推理小説『薔薇の名前』から影響を受けた物語。政治と宗教の大きな歴史的転換点を長い年月をかけて描いていきます。主人公の選択が後世に大きな影響を与えることも」(山田集佳)

ゲーム『Pentiment』

GRIS(2018)

developer:Nomada Studio
対応機種:Switch/PS5/PS4/Xbox/PC/iOS/Android

心を映し出したイラストの“中”を駆け回る

表現の高度化によって近年は絵の中に入り込んだような映像のゲームが増加。本作もその一つで、エモーショナルなグラフィックはスペインのイラストレーターであるコンラッド・ロゼットが手描きしたもの。パブリッシャーは、先進的なインディーゲームを数多く手がけるデボルバー・デジタル社。プレイヤーは、少女の心の世界を描いた滑らかに動くグラフィックの中を冒険する。

「最近注目のジャンルであるアートアニメーションにも近しい美しさです」(さやわか)

ゲーム『GRIS』

Return of the Obra Dinn(2018)

developer:Lucas Pope
対応機種:Switch/PS5/PS4/Xbox/PC

緻密なモノクロドットが紡ぐ船上の謎

乗組員と乗客の全員が消え去った客船、オブラ・ディン号。プレイヤーは死の瞬間を再現する懐中時計の力を使い、被害者の名前や服装、死亡時の状況などあらゆる情報を集めながら、空白の時間に何が起こったのかを調べていく。船の様子や丁寧に描き分けられた乗船者60名のイラストは、白黒2色で書かれているとは思えないほどディテールが豊か。

「ビジュアルの個性とストイックで深みのある物語とが両輪となって、唯一無二の体験を生み出しています」(山田集佳)

ゲーム『Return of the Obra Dinn』

Hypnospace Outlaw(2019)

developer:Tendershoot, Mike Lasch, ThatWhichls Media
対応機種:Switch/PS5/PS4/Xbox/PC

カラフルで奇天烈なヴェイパーウェイヴ空間

エレクトロニカやヴェイパーウェイヴなど、音楽シーンの動向とインディーゲームは常に密接に関係しており、本作もその典型例。舞台は架空の1999年。プレイヤーは夢を見ることで接続できるインターネットの検閲官となり、規約違反のサイトを次々とBANしていく。

「低解像度のビジュアルとローポリゴン、ネオンカラーを多用しつつ、狂騒に満ちたウェブ1.0あるあるをシュールに展開していて実にクール。作者自身が作曲したというサントラもかっこいい」(さやわか)

ゲーム『Hypnospace Outlaw』

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