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囲碁将棋に聞く、あと一歩で逃したビッグタイトルへの思いと次なる舞台

正統派のしゃべくり漫才から、奇人を演じるコント漫才まで、剛速球も変化球も投げ分ける囲碁将棋。劇場で爆笑をかっさらい、後輩芸人も慕うコンビだが苦難があったという。

photo: Shinsaku Yasujima / text: Kazuaki Asato

あと一歩で逃したビッグタイトルへの思い

結成16年以上のコンビが出場する漫才賞レース『THE SECOND~漫才トーナメント~2025』(フジテレビ)。熟練漫才師たちが磨き抜いたネタを披露する本大会を象徴する一組が、結成22年目の囲碁将棋だ。今回は惜しくも決勝でツートライブに敗れ、王座を逃した。

「スタジオだと、ツートが優勝する雰囲気だと思ったんで、負けた瞬間も“やっぱりな”と。でもTVerで観返したら意外と競ってたんで観なきゃよかった(笑)。悔しいですけど、大会は盛り上がったんでよかったです。5年前の尖ってたときとはもう違うんで」(文田)

解散危機を乗り越え、次なる舞台へ

根建太一

『THE SECOND』の本番中に「来年もまた出ます!」って言ったじゃん。出るとは思ってたけど、さすがに言うの早ぇよ。

文田大介

変な話、いつなくなってもおかしくない大会だから、あそこで言えば、来年につながるきっかけの一つになるかなって。

根建

最近で言うと、5年間やってたラジオ(GERAで配信中の番組『囲碁将棋の情熱スリーポイント』)を終わらせてもらったね。

文田

なんかさ、振り返るとラジオっていつ炎上してもおかしくないこと言ってきたのに、一回も炎上したことないじゃん。それは単純に聴く人が少ないからで。生配信でもリスナー数は限られている。井の中の蛙感がめちゃくちゃ強いんで、一回やめようと。スタッフさんは本当に意志を持って良くしてくれたから感謝してるけど、これが地上波ラジオだったら、天井に触れる可能性あるなと思うし。

根建

まぁ次のラジオは決まってないけど。

文田

5年前に一回解散しかけたじゃん。

根建

M-1のラストイヤーが終わって俺が「芸人辞めたい」って言ったときな。

文田

あのとき一度は解散決めて、気分的には一回芸人辞めたから、そこですげぇラクになったのよ。それまでは気張って、絶対売れなきゃとか、漫才師はこうあるべきとか思ってたけど、その焦りと尖りが全部なくなった。コロナ禍で配信ライブが売れるようになったし、『THE SECOND』も始まった。ゴールデンタイムにネタを3本もやれるなんて、あの頃じゃ考えられないよ。

根建

俺は巨人ファンなんで、東京ドームで始球式ができたら悔いはない。

文田

始球式決まったら絶対投げ込むよね。

文田大介(左)と根建太一(右)。