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タイ発ドラマ『I Told Sunset About You』の聖地巡礼でプーケットへ

タイ発ドラマの魅力に取り憑かれたフォトグラファー・相馬ミナが、思い余ってロケ地プーケットでその残り香を嗅ぐ記録。

photo&text: Mina Soma

ドラマを含むタイエンタメがじわじわと浸透してきて、はや数年。その中でも2020年10月にタイで放映されたドラマ、『I Told Sunset About You ~僕の愛を君の心で訳して~』。私は昨年これを観て以来、すっかり心を奪われてしまい、次にタイに行くときはプーケットに行くんだ、そう思い続けていました。

物語の舞台はプーケットの旧市街、プーケット・タウンを中心に描かれる青春劇です。

誰かを真剣に好きになって、自分自身とも向き合えないままに相手を傷つけて、そうしてもなお抑えきれない気持ち……。そんな思春期の揺れ動く心を美しい映像と音楽が彩り、そして主演のBillkinくんとPP Kritくんの瑞々しい演技が光る素晴らしい作品です。全編プーケットロケ、旅したくなること間違いなしです。

さて、私にとってはこれが人生初となる聖地巡礼。プーケットに行くのも十数年ぶりです。じっくり写真が撮りたかったので4泊にしましたが、2泊でも3泊でも大丈夫。なんだったら1泊でも十分雰囲気は味わえると思います!

プーケットでの4泊5日

1日目
– 夕方にプーケット国際空港着
– プーケット・タウンへ
– 〈On On Hotel〉泊

2日目
– 終日プーケット・タウンにてロケ地巡り
– 〈On On Hotel〉泊

3日目
– ビーチや岬へ
– 〈Cape Panwa Hotel〉泊

4日目
– 〈Cape Panwa Hotel〉内のロケ地巡りをしたのち、
– プーケット・タウンへ
– プーケット・タウン泊

5日目
– バンコクへ戻る

たくさんのロケ地を巡ったのですが、今回は厳選しておすすめの場所をご案内することにします。まず、ロケ地の多くが点在しているプーケット・タウンから。

ここプーケット・はシノポルトギース様式のコロニアルでカラフルな建築が立ち並ぶ、情緒豊かなヒストリカルエリアです。特に黄昏時の雰囲気は格別です。

主人公テーの家の舞台。レストラン〈KOPITIAM By Wilai〉

そしてこのドラマといえばここでしょう、まずは主人公テーの家!ここは〈KOPITIAM By Wilai〉というレストランです。物語の中でもテーの母が福建麺(ミーホッキアン)の店を営んでいます。

外観も中もドラマの世界観そのものでした。シャッターが閉まっている風景、今にもここからテーが出てくるんじゃないかと思ったり。

ここではもう一人の主人公、オーエウの名前の由来となったプーケットのデザートをいただきました。

仲間と集まっていたカフェのロケ地〈The Memory at On On Hotel〉

そして放課後仲間たちとオーエウが食べによく通っていたカフェがこちら。

か、壁のひび割れた感じとか、家具の置き方も一緒だよ……。こういう細かいことにも切なくて胸が張り裂けそうになりました。エモーショナルってこういうときに使う言葉だよね……。

どこを切り取っても思い入れが強くて初めて来た気がしない。ちなみにこちらはホテルですので宿泊できます!ぜひゆっくり泊まって感傷に浸ってください。

カフェからほど近くの博物館〈Phuket Thai Hua Museum〉

プーケット・タウンのロケ地はそれぞれが近い場所に点在していて、徒歩で1時間もあれば見て回ることができると思います。

博物館〈Phuket Thai Hua Museum〉
テーの彼女、ターンの家は博物館です。

物語のポイントになった中国寺院〈Saeng Tham Shrine〉

幼い頃主人公たちが、仲違いの原因となった中国劇の練習をしていたお寺です。再会してからは閉鎖されていますが、2人きりのシーンで何度も出てきます。

そんなお寺、劇中では工事中でした。私が訪れたときも資材が置いてあり、何かしらの作業中でしたが、毎日開いているようでした。工事中の雰囲気はそのまま、それもまた情緒的に見えるのは聖地巡礼ならではの感情でしょうか。

温かみのあるレストラン〈Dibuk Restaurant〉

仲間と行ったり、ターンとデートもしたレストラン。こちらは洋食とタイ料理、どちらもいただけます。

私はテーのお母さんも作っている福建麺をいただきました。甘塩っぱい醤油風味の焼きそばです。

中国語教室の舞台となった素敵な個人邸

こちらも劇中に何度も登場しました。テーとオーエウとその仲間たちが通っていた中国語教室です。個人宅なので外観だけ撮影させていただきました。

オーエウの通う学校〈Satree Phuket School〉

オーエウの通う学校。こちらも外観だけ。ドキドキが止まりません。暑くて朦朧としているのか、胸の鼓動が高まっているのかわかりませんがとにかく最高です。

重要なシーンが撮られたレストラン〈Panwa House〉

ドラマの重要なシーンがたくさんある海側も外せません。オーエウの実家となったのはプーケット南部のビーチリゾートホテル〈Cape Panwa Hotel〉内にあるレストラン、〈Panwa House〉。

あのワンシーンワンカットの名シーンがここで撮影されたのかと思うと同じアングルを探したくなります。

レストランは夜のみの営業でした。予約しておいた方が安心です。オーセンティックなタイ料理をぜひビーチフロントのテラスで。

オーエウの実家、リゾートホテル〈Cape Panwa Hotel〉

そして、今回の旅で一番興奮したのがこちら。オーエウの家の前にあるハンモック。まさか同じようにそこにあるなんて思いもしませんでした。乗ってみましたよね、そこはやっぱり。

オーエウの実家はリゾートホテルを経営しています。こちらもホテルの敷地内ですので、できたらホテルにステイして早朝から散策を楽しんでください。朝のビーチは貸切状態でした。

普段はリゾートに縁遠く、何をしたらいいのかわからなくなってしまう私ですが、目的があると違うものですね。ビーチに落ちている貝殻を拾ったりして心躍るひとときを過ごしました。

壮大なラストシーンは〈プロムテップ岬〉で

そしてロケ地巡り旅の締めは壮大なラストシーンのロケ地、プロムテップ岬です。こちらでは岬の先端まで行って夕日を待つことにしました。

雨上がりなど足元のコンディションがよくないときもあります。サンダルなどよりはスニーカーやトレッキングシューズで。

雨季だったこともあり、この日はなかなかスッキリ晴れませんでしたが、日が落ちるギリギリになってようやく綺麗な色に染まりました。実はドラマのロケでもそうだったそうです。彼らもこんなふうにハラハラしながら夕日を待っていたんだ、そう思うと同じ展開に感動が抑えられませんでした。

さて、駆け足でお届けした『I Told Sunset About You ~僕の愛を君の心で訳して~』のロケ地巡り!

今回掲載していないところも含めて行きたいところがたくさんあり、遠出の移動はレンタカーを借りました。運転に慣れていない方や免許を持っていない方はタクシーやドライバーさんを雇うなど、個々の旅のスタイルに合った方法を選択してください。

今回はロケ地が雰囲気の良い美味しいレストランだったり、夕日の美しい岬だったり、宿泊できたりと、ドラマの雰囲気に浸りながらゆったりと時の流れる良い旅でした。