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屋内版蚤の市!週に1度だけ開くヴィンテージショップ、馬喰町〈HYST〉

かつて誰かが愛用したものは、きっと今、誰かが欲しているもの。バラして磨き、組み直した自転車、2000年前後のファッション、民家や公共空間からの掘り出し物にデザインもの、西洋の木彫まで。ヴィンテージだからこそのクセ強なセレクトショップ、集めました。

photo: Kazuharu Igarashi / text: Kei Sasaki

予備知識不要、「古物の博物館」

暗幕が覆う入口から建物内に進むと、お宝の山が店の奥、2階にまで連なる。家具に雑貨や食器類、絵画やオブジェなどの装飾品、古着やアクセサリー、使い道がわからない何かまで。

共通するのは100年超えの骨董品ではなく、40~70年前のヴィンテージであること。老朽化した公共施設や旅館、古民家などの解体現場から“発掘”されたもので、価格は驚くほど安い。

キュレーションから修繕やメンテナンス、販売商品の撮影とインスタグラムでの紹介、ディスプレイまで、スタッフが一貫して手がける。だから営業は、毎週土曜日のみ。オーナーもキュレーターも前面には出ず、「主役はゲスト」というスタンスだ。

予備知識不要、触れて確かめられる「古物の博物館」。市場価値のあるものだけを選りすぐって並べた店ではなく、客が混沌から価値を見出す場は、欧州の蚤の市を思い出させる。

馬喰町 HYST 店内
商品に合わせてディスプレイが変わり、毎週違う店のよう。家具もすべて商品。