北村匠海の家カレー。和だしテイストの飲むカレー

食べるだけじゃ物足りず、作ってしまうのだから、カレー愛は半端じゃない。自粛ムード漂う中、著名人の台所をちょっと覗かせてもらいました。俳優・北村匠海がスパイスカレーの研究を重ねて完成させたのは「飲むカレー」。主食としてカレーを“食べる”のではなく、小腹が空いたら“飲む”。なぜ、このスタイルに行き着いたのだろうか?

Text: Chisa Nishinoiri, Takagi “JET” Shinichirou , Katsumi Watanabe, Yoko Fujimori / Recipe: Kusako Nitta

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飲み物感覚で
さっと飲めるカレーです

カレー作りに夢中になったのは4年ほど前から。俳優仲間の上杉柊平君が家でスパイスから作ったカレーを出してくれて、「なにそれ⁉」って衝撃を受けて、そこから自分でもスパイスカレーを作るように。カレー作りは曲作りと同じで、独創性とアイデアが必要だと思っていて、僕の場合はレシピ通りに作るんじゃなくて、「こうやったらどうなるんだろう」って試行錯誤をするのが楽しいし、そこに自分の性格が出ると思うんですよね。それでできたカレーを誰かに、例えば家族に食べてもらった時に「匠海っぽいね」って言われるのが一番嬉しい。

最近研究しているのは「飲むカレー」。飲み物感覚でさっと飲めるカレーです。今回はだしをとって、お醤油も入れることで和だしテイストのカレーに仕上げました。もともとは、スパイス以外の調味料は塩しか使わないのがこだわりだったんですが、だしをひいたカレーを食べた時に、「これを自分のものにしたい」って思って考えを改めました。それで実験を繰り返した結果、やっと自分らしい一品ができたと思えたのが、今回のレシピです。

スパイスは色んな種類を揃えるタイプですね。家のスパイスホルダーと調味料入れにスパイスがてんこ盛りです。ホールスパイスをパウダーにする時は、乳鉢に入れてすりこ木ですり潰してます。その時はテクノとかトランスをBGMにして、完全に自分の世界に没入しながらゴリゴリ……って。

これは僕の持論なんですけど、カレーってそもそも「完璧な存在」なんじゃないかなと。欧風でもインド風でも、ビーフでもチキンでも、どんなカレーも僕は肯定することができるし、どんなカレーも完璧な存在だと思うんですよね。その意味では、僕は“カレー教”の信者なのかもしれないですね(笑)。

北村匠海の飲むカレー
実験を繰り返した結果、やっと自分らしい一品ができました。

材料(2人分)

手羽元(6本)

タマネギ(みじん切り、1個)

ニンニク(みじん切り、大1かけ)

ショウガ(親指大1かけ、すりおろす)

シナモンスティック1本

クミンシード(小さじ1)

A[カレー粉(大さじ1+小さじ1)、コリアンダー(小さじ1)、ターメリック(小さじ1)、オールスパイス(小さじ1)、チリペッパー小さじ1)]

酒(大さじ1)

醤油(大さじ1)

オリーブオイル(大さじ1)

ホールトマト(1缶)

バジル適量

塩少々

作り方

1 鍋に水400㎖と酒、醤油、シナモンスティックを入れて火にかける。煮立ってきたら手羽元を入れて弱火で煮込み、あくを丁寧に取る。

2 別の鍋にオリーブオイルとクミンシードを入れて中火にかけ、音がするまで加熱する。ニンニクとショウガも加え、香りが立つまで炒める。

3 タマネギを2に加え、塩を振って水気がなくなるまでさらに炒める。

4 タマネギが黄金色よりやや濃く色づいたら、合わせておいたAを投入。ホールトマトも加え、水気が十分に飛ぶまで炒める。

5 出来上がった4のカレーペーストを1の手羽元の鍋に加え、30分ほど煮込む。カップに盛り、バジルを添えて完成。

POINT 1 スパイスの調合

俳優・北村匠海さんのスパイス調合
カレー粉と、コリアンダー、ターメリック、オールスパイス、チリペッパーを4:1:1:1:1の比率で配合するのがオススメ。

POINT 2 しっかりあくを取る

俳優・北村匠海さんのカレー作り。鶏出汁
あくを取るのが重要。お好みでスパイスの量を少し減らして、より鶏だしを強調しても旨い。

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