水星は、知を携えて駆けるメッセンジャー

みなさん、こんにちは。ボクこと水星について少しお話ししますね。天体観測をしていた古人たちは、常に太陽の近くにいて細かく動きまわるボクを見てこう思ったんだ。「あの星は、権力者(太陽)のそばにいつもいる」と。
占星術発祥の地と言われる古代メソポタミアでは、王に付き添うのは書記官だった。そこからボクは、文字や記録、知識といったものに結び付けられた。そして、時と場所が移って古代ギリシア。この土地の神話には、天と地、そして冥府を自在に行き来するメッセンジャーであるヘルメスがいる。古代ギリシアでのボクは、太陽の周りをうろうろしている姿から「伝令役」のイメージもついていた。そこでこのヘルメスと同一視され、情報のやりとりを示す天体とされるようになったんだ。
確かに合っていると思う。ボクって好奇心旺盛で、未知のものに出合うとワクワクするから。異文化に触れるのも好きだし、いつもあちらこちらへと動き回っている。そこで見聞きしたものは、誰かに話したくて仕方がない!
みなさんには、情報のやりとりという意味でのコミュニケーションを担うのが水星だと思ってほしいな。
そもそも占星術とは
占星術をよく知らない人のために、補足を少し。普段みなさんが読んでいるホロスコープの星座は、「生まれたときに太陽がどの星座にいるか」をもとにしたもの。「自分は〇〇座」の「〇〇座」は太陽星座のことなんだ。
太陽は確かに占星術では中心的な存在。けれど、太陽以外の天体もおのおの役割を担っているんだよね。星読みでは、10個の天体の天球上での配置を解釈する。天球をぐるりと取り囲むベルトを想像してみて。その帯を12に分けた各エリアが、牡羊座から魚座までの12星座と考えよう。
10天体にはそれぞれ役割があり(ボクなら情報の出入りやコミュニケーション)、天体はどの星座にいるかによってその働き方を変える。例えば、職場が変われば自分の仕事のやり方やキャラクターが変わる、なんてことがあると思う。それと似たようなものかな。ボクこと水星も、位置する星座によって働きの出方が異なる。だから、生まれた瞬間のホロスコープ(星々の位置を表す図)に、運勢や人となりが出ると考えられているんだ。それを読み解くのが占星術、というわけだ。
水星星座で見えること
ボクが司るのは知のインプットとアウトプット。そしてその方式は、ボクがどのエリア(星座)にいるかによって少しずつ変わる。だから、みなさんそれぞれに理解の仕方が違うし、「こう説明されたらわかりやすいだろう」と思うものも同じではない。
生まれたときの水星の位置で見えるのは、情報処理やコミュニケーションのかたち。他者とのスムーズな意思疎通のために、まずは、自分の傾向を知ろう。みなさんには、ボクの力をうまく使ってほしいから。
自分の水星星座を知る
では、自分が生まれたとき、水星はどの星座にいたのだろう? 調べ方は簡単。以下の手順でチェックして。
1.このサイトに移り、自分の生年月日を入力して、ホロスコープ(天体配置図)を作る。
2.作成されたホロスコープの下に表示された「ホロスコープの詳細」へ飛ぶ。
3.「天体の位置」という項目から、水星がどの星座にいるのかをチェック。その星座が、自分の水星星座だよ。
伝令神・水星、12変化
みなさんが情報処理し、コミュニケーションする方法は、ボクがどの星座にいるかによって12通りある。自分がどんなふうに知を扱うのか、確認してみて。
牡羊座

素直でストレートな知の受け渡し
思いや考えをそのまま受け取り、伝え方もまっすぐ。人を説得するときは情熱勝負。
牡牛座

揺らがない思考と深い理解
情報を精査し、“腑に落ちる”感覚を大事にする。考え方がぶれなくて、言葉選びも慎重。
双子座

頭の回転が速くロゴス重視
知識を高速吸収し、どんどんアイデアを展開。思考は理路整然としていて、言語化も大得意。
蟹座

感情を通して世界をつかむ
経験則を大事にしていて、共感を基準に物事を把握。相手の表情など非言語情報を捉えるのが上手。
獅子座

初志貫徹のリーダー思考
自分の考え方に自信があり、周りに流されることはない。ほしい情報へまっしぐらに進んでいく。
乙女座

データと数値をきっちり分析
細々としたものを整理していくのが好きで、データの図表化や分析が得意。数値を信頼している。
天秤座

社交上手で場の潤滑油
言葉遣いも丁寧で、全方位への配慮に溢れている。自分の希望をはっきり伝えるのは不得手かも。
蠍座

偏愛から知を展開
これと決めたら真摯で忠実。好きなものの情報は素早く集めて、とことん深掘りしていける。
射手座

知識を体系化する冒険家
非日常でこそアンテナが研ぎ澄まされる。見聞きしたものを大きなフレームで捉えていける。
山羊座

どんな情報にも実直に向き合う
心配性だからこそ、実用情報を押さえていく。有益かどうかで物事を理解することが多い。
水瓶座

ユニークさや違いを面白がる
差異によって人や物事を理解していく。メディアリテラシーが高く、情報に触れるときは深読みを怠らない。
魚座

直感と共感で理解に進む
非言語的センスに優れていて、アートや音楽と相性よし。好きかどうかの判断は素早い。