馬場1周の引馬から長期滞在の研修まで。
十勝には馬の文化があるんです。開拓使時代の農耕馬や、帯広名所の〈ばんえい十勝〉など“日本輓系種”が活躍してきました。このばん馬の魅力を継いでいきたいという思いで、3年前から、帯広の街中を馬が巡る〈馬車BAR〉を手がけています。
この事業を始める頃、馬との付き合い方を教えてもらったのが〈HMH〉。飼育しているのはクォーターホース種ですが、ここでは乗馬だけでなく、引き馬などのグラウンドワークやホーストレーニングも体験できるんです。
「私たち人間は、馬を介して気づくことがたくさんある」と代表の持田裕之さん。広島県出身で、若い頃アラスカに渡り、「馬を飼って木の家に住みたい」との夢を抱いて、約30年前に北海道へ。現在は全国を飛び回り、ナチュラル・ホースマンシップの理論に基づいてJRAの調教師などを指導している、尊敬すべき方。
「馬ってとても素直でね、嫌なことは態度に出す。自分をさらけ出して裏表なく向き合わないと、コミュニケーションが取れないんです」と教えてもらいました。馬との関わり方を学んでいくことで、経営者である私は、部下との接し方まで見直すようになったんですよ。