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北海道産チーズにヴァン・ ナチュールをペアリング。札幌で訪れるべき名店が選ぶ5種×5本

北海道といえば、大自然が育むチーズ。それに合わせるワインも大地の力を感じるものがふさわしい。では、札幌で訪れるべき名店が選ぶ5種×5本は?道産チーズとヴァン・ナチュール、その幸せな邂逅をご堪能あれ。

photo: Satoko Imazu / text: Asuka Ochi

チーズの店コンテ〉が選んだ北海道産チーズ。〈二番通り酒店〉が選んだヴァン・ナチュール。

プレスキル フロマージュ「プレーン」×
サン・ロ・ペット・ブラン(泡)

ニセコチーズ工房「二世古ミモレット」×
GW アンスピラシオン 2017(オレンジ)

チーズ工房小栗「ウメ」×
ペドレス・ブランケス 2017(赤)

共働学舎新得農場「笹ゆき」×
トモ・ルージュ 2016(赤)

冨田ファーム「ジャパンブルー おこっぺ」×
フリッズ 2013(白)

チーズの店コンテ(円山)

北海道産に信頼が厚い、
チーズの専門店。

ナチュラルチーズの店〈フェルミエ 札幌店〉から独立する形で、2017年2月、北海道産のチーズを豊富にラインナップする店としてオープン。

店頭での販売のほか、道内50店舗ほどの飲食店にもチーズを卸す、地元からの信頼が厚い店だ。ストックを合わせて100種類ほどという商品は、フランス、イタリア、スペインなど〈フェルミエ〉から仕入れるヨーロッパのチーズが約6割、北海道産が約4割を占める。

もともとワイン販売の仕事がきっかけでチーズを学び、この道に辿り着いた店主・工藤典子さんによるアドバイスを聞きながら選べるのも、酒飲みには嬉しい。ジャージーなど加工せずにそのまま飲める乳牛のミルクで作られる道産のチーズは、さっぱりしていて比較的クセが強くないのが特徴。

「北海道でも近年は若い作り手が増え、個性的なファームも多くあります。この地の酪農を支えようとオープンに交流し皆で切磋琢磨しているので、品質も向上し、以前と比べてもかなりおいしくなっていますよ」

二番通り酒店(西線6条)

徹底した管理で、
ナチュールの味を伝える。

香川〈悦凱陣〉の酒蔵や、盛岡の酒屋〈吟の酒 きぶね〉で下積みをし、ロワールの〈ドメーヌ・モス〉で経験を重ねた小林夫妻が地元・札幌で営む、ヴァン・ナチュールの店。

2014年7月に店を開いてからも、毎年1ヵ月はフランスへ渡り、自分たちが飲みたい、造り手から大切に届けたいワインを足で集める。最初12から始まった生産者は、今は60ほどを数える。フランスだけですでに500以上の生産者を巡ったという。

稀少価値は関係ない、時に商売っ気なく感じるほど、心を注いで造られた味を届ける情熱は熱い。“小林系”と称されるワインの何がほかと違うか、小林謙一さんは「コンディションを意識している」という。

「管理から発送まですべての作業を夫婦2人だけで徹底しています。瓶の底でオリが1度舞うことすら味を左右する。計測器より体感を信じて温度や湿度を調整したり、セラーに電子機器を入れないようにしたり、月の動きを考えたり、細かい積み重ねを大切にしています」