道具って多少ポンコツなくらいが面白い。損得抜きで作られたものに惹かれます
近年、アメリカではハンモックギアを扱う小規模メーカーが増加中で、面白いことが始まりそうなムードがある。かつてウルトラライトハイキングがブームになった状況と似ていますね。ハンモックは開いてみると、シンプルな長方形の布なんです。この布をいかに使いこなすかを考える余白があるのが魅力。命をかけるギアでなければ、道具って多少ポンコツなくらいが面白いんですよ。僕は近所の山にふらっと出かける時も、1ヵ月以上海外のトレイルを歩く時も、テントではなく、ハンモックを選んでいます。
〈eno〉のSub6は数ある軽量ハンモックの中で、寝泊まりに使える快適性も担保してくれる唯一の選択肢。その理由は生地が程よく伸びるから。伸びすぎず、ハリが強すぎてもいけない。そのバランスが絶妙な寝心地のよさを生みます。一方、ヘリオスは長さ調整がワンタッチでできる画期的なサスペンション(ハンモック専用のロープ)です。扱いやすいし、軽いし、セットアップがめちゃくちゃ簡単。設営が面倒で難しそうという従来のハンモックのイメージを一変させたゲームチェンジャーです。
僕はたとえ良いものだとしても、大手ブランドがすでに市場にあるものをコピーしたような道具には美しさを感じません。損得勘定抜きで、思いついたから我慢できずに作っちゃったような道具に惹かれます。僕らユーザーは、そうした背景のある道具をちゃんと選ぶことが大事なんじゃないでしょうか。