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登山家・服部文祥が愛用する山道具。〈木屋〉のエーデルワイス150mm etc.

山歩きの楽しみ方が人それぞれなら、当然道具の選び方もそれぞれ。道具選び自体が山歩きの楽しみになっているというギア好きも多いでしょう。そして、選んだ道具からは、その人が山とどう向き合っているかが見えてくるものです。

photo: Eriko Nemoto, Masato Kameda / text: Kei Ikeda

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ズルしないで自分の力で登るために、最低限必要なもの

テントやスマホ、時計、ヘッドライトのように便利すぎる道具は持ちません。重要なのは靴と入れ物、そして刃物です。刃物は格好つけて6寸の剣ナタを使っていた時期もありましたが、結局より作業効率が良くて軽い包丁とノコギリに落ち着きました。

包丁の刃渡りはあまり長くなくていい。ペティナイフサイズで鹿の解体もできます。魚をおいしく刺し身にしたいなら、ナイフよりも刃が薄い包丁が向いています。ノコギリは庭師も使うシルキーブランド一択。カーブがついていて力が入りやすいズバットの270mmを愛用しています。

山の道具は扱いやすさはもちろん、ある程度安いことも大切じゃないかな。こだわりすぎてしまうと適当に使えないし、なくした時にずっと気になってしまったり、取りに戻ったり。道具より命の方が大事なので、山ではそういうリスクを負いたくないですから。

服部文祥の山道具

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