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北海道・美瑛町に〈花、太陽、雨〉の店とビアホールがOPEN。〈ネペンテス〉の新たな“聖地”に

〈ネペンテス〉の新たな動きが面白い。2023年にローンチしたプロジェクト〈花、太陽、雨〉を軸としながら、彼らの歴史を俯瞰するようなお店が北海道の美瑛に登場した。同じ建物にはビアホールも隣接。東京やニューヨーク、ロンドンとも違う、また新たなカルチャーを生み出しそうだ。

photo: Aiko Ichida / text: Yoshitaka Morisawa

田園風景が広がる丘の町、北海道・美瑛町で〈ネペンテス〉が新たなプロジェクトを始動させた。今年5月にオープンした〈花、太陽、雨〉は、ブランド創業から36年、個性が光るアイテムを生み出すための資料としてアーカイブしてきた世界各国の古着やシューズなどを展示販売するほか、ここでしか買えないオリジナルプロダクトを発信する新しいお店だ。

貴重なアーカイブを特別な接客で

「オーナーの清水慶三をはじめ、社内には釣りが好きなスタッフが多く、自然豊かな美瑛はもともと僕らの遊びの拠点だったんです。昨年たまたまこの物件と出会い、新しいプロジェクトで何をするか考えたとき、僕らには自信を持って売れるアイテムがある。それならば、場所はどこでもいいよね、と」。

そう語るのは、東京と札幌で店長やディレクターを歴任し、ブランドに精通する永岡要さん。90年代にアメリカやヨーロッパで買い付けてきた古着や小物のほか〈ニードルズ〉〈サウス2 ウエスト8〉〈エンジニアド ガーメンツ〉の貴重なアーカイブが並ぶ。

「その一つ一つに歴史と物語がある」と永岡さん。「僕が20代の頃に販売していたものもありますし、世代によっては懐かしかったり、逆に新しく感じたり……。本当に宝探しをするような感覚で、お気に入りを見つけてほしいですね」。真の〈ネペンテス〉の源流、美瑛にあり。

永岡要さん
アイテムに宿るストーリーをすべて把握する永岡さんにしかできない接客も魅力。

ネペンテスのオリジナルビールが楽しめる

また、10月には同じ建物内にビアホール〈花、太陽、雨〉もオープンした。同時に4つのブランド〈花、太陽、雨〉〈NEELDLES〉〈ENGINEERED GARMENTS〉〈SOUTH2 WEST8〉のイメージを元に作られた、オリジナルテイストのクラフトビールも限定販売している。

元縫製工場だった広大な倉庫をリノベーションしているため、100席以上のキャパを有する。コッパーを基調とした開放感のある店内には、天井からさまざまなペンダントライトがぶら下がり、落ち着いた大人の空間に。ちょっと外国のお店に遊びにきたかのようだ。

クラフトビール以外にもこだわりのカフェメニューやフードをゆっくりとお楽しめるので、ネペンテス好きはもちろん、普通の旅行客でも美瑛や旭川方面の旅の途中に立ち寄りたい、おすすめのニューアドレスだ。

ビアホールの店内
140席以上を備えた非常に開放感のある空間。コッパーを基調とした空間に、各テーブルを照らすカラフルなステンドグラスのペンダントライトが印象的。