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表夜景に裏夜景、どこから見る?ミシュラン・グリーンガイドで3ツ星に輝いた、函館ナイトビュー

函館空港から町の中心部まで車で約30分。年間500万人が訪れる道南の観光都市を、地元出身のシェフ菊地美升さんが案内する。「コンパクトな町に、宝物みたいな正解がいっぱい詰まっています」と函館愛全開で紹介!

初出:BRUTUS特別編集「北海道の大正解」(2021年8月31日発売)

photo: Yoshitaka Morisawa / text: Masae Wako / coordination: Aiko Ichida

案内人:ル・ブルギニオン オーナーシェフ・菊地美升

「“手が届きそうなほど”ってよく言いますが本当にその通り。キラキラと輝く景色がすぐ目の前に広がっている。これが函館山から見下ろす夜景の魅力です」

2020年のミシュラン・グリーンガイドでは3ツ星に輝いた函館の夜景。高さ334mの函館山山頂展望台から見下ろせば、細くくびれた半島と、その両側に広がる暗い海。くびれ部分に密集した道路や街の光が、大きなアーチを描きながら広がっていく。

函館山の山頂からの夜景
函館山展望台から見下ろす表夜景。展望台へはロープウェイを使うのが定番だが、軽登山コースも人気。

「右が津軽海峡で左が函館湾。コンパクトな町の両側に海がある景色なんて、函館でしか見られないんじゃないかな」

日没30分後の、空が薄暮れから濃紺に移る時刻もいいし、真っ暗な街に明かりがきらめく頃も美しい。また、函館山から町を一望する「表夜景」に対して、反対側から函館山を望む「裏夜景」も菊地さんのお気に入り。最近は、臨港道路のともえ大橋から山を眺める「中夜景」も注目されている。

表夜景、裏夜景、夜明けに見る朝夜景など様々な景を楽しめる函館山。最近の注目はともえ大橋からの中夜景。

「やっぱり函館山は町の象徴。帰省する時は函館空港から湾岸道路を使うのですが、途中、〈啄木小公園〉に駐車して、函館山の写真を撮るんです。啄木の碑を左に見ながら撮るのがベスト。地元に帰ってきたなと実感する瞬間です」