「スケーターは、国内外問わず、すごく親切なイメージがあります。初めてのパークへ滑りに行っても、知らない人が良い技を決めたら褒めるし、僕が逆に褒められることもある。だから、すぐにその場の人たちと仲良くなれるんです」と田口悟さん。
普段は、街乗り用とパーク用で仕様を変えた2台のスケートボードを使い分け。なんと、横浜から中野までクルージングしたこともあるのだそう。
「風を切って、プッシュするだけでスケートボードって気持ちいいものなんです。自転車やバイクとちがって、足から伝わってくる振動とか、それだけで、楽しく感じます」
コンプリートと呼ばれるすでに出来上がったスケートボードではなく、今回は、パーツをカスタマイズして組むポイントをレクチャー。初心者におすすめの一台を作るために、田口さんに手順とコツを教わりました。
プロスケーターとして活躍後、現在はアパレルブランド〈チャレンジャー〉のデザイナーを務め、絵も描いている田口さん。アートとの出合いもスケートボードがきっかけだった。「小学6年生のときに見つけたデッキのグラフィックが本当にかっこよくて、アートに興味を持ち始めました。
そこから絵の勉強をするようになって、今の仕事にも繋がっています。スケートボードビデオを観ていて、使われている楽曲から音楽を知ったり、出ているライダーの装いから、スボンの丈はあれくらい切っちゃった方がいいなとか、ファッションのヒントも得られる。
最近では、オリンピックの競技にもなりましたが、他のスポーツとちがってバックボーンにカルチャーがあることが僕はすごく好きです。乗り物としてだけでなく、その背景も引っくるめて、いくつになっても楽しめる魅力があると思います」。