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ブックディレクター・幅允孝が選ぶ、動物園がもっと楽しくなるブックガイド

動物に会いたくなる、動物園での過ごし方がちょっと変わる。そんな良書を、ブックディレクターの幅允孝さんが、4つのテーマで選書!

illustration: JOE OKADA / text: Masae Wako

動物園の物語に浸る

「動物が集まる場所に生じる磁場みたいなものの中に、人間の生のきらめきや家族愛、欲望や業が浮かび上がる。まずはそんな小説を」と、大の動物園好きでもあるブックディレクターの幅允孝さん。

「『雪の練習生』(1)の主人公は、ベルリンの動物園に実在したクマと、その母や祖母。彼らの回想によって3世代の物語が綴られます。『紙の動物園』(2)は、ファンタジーの中に、人間のどうしようもない悲しみや愛情が描かれるSFの名作。また、僕は常々、動物園のにおいがいいと思っていて、『移動動物園』(3)を読むと、人間も動物もそのにおいや欲望をコントロールしてるようで全くできてないから面白い、と感じます」

“動物目線”を知る

さて、動物園でふと「動物から見られてる?」と感じたことはないだろうか。それって実は……?

「『バケツでごはん』(4)は、動物たちが園に出勤し、人間を喜ばせるために振る舞っているというコミックス。『動物農場』(5)は、動物たちが人間と対決するために会話を重ね行動する寓話小説。バックヤードで生まれる動物関係を、覗き見するような2冊です」

動物園から考える

同じ舞台裏でも、園を作る人々に迫るのが『動物園から未来を変える』(6)と『動物園を考える』(7)。前者は〈ブロンクス動物園〉の展示デザインについて。「解説パネルのサイン一つにも専門家がいるような、細分化された仕事の事例が興味深い。後者は日本の動物園らしさに触れられます」

動物に会いたくなる

最後は動物に会いたくなる3冊。

「『子どもが動物に出会うとき』(8)で描かれるのは、自分よりもか弱い存在に出会うことで、子供の心に生じる変化。『パンダとわたし』(9)は、パンダという存在のポジティブさを十二分に伝えるし、ブルーノ・ムナーリの絵本『Bruno Munari's ZOO』(10)は、“檻の向こう”だからこその姿を、素晴らしい切り口とデザインで見せてくれる。動物園がもっと楽しくなる永遠の名作です」