教えてくれた人:Rei(シンガーソングライター、ギタリスト)
オープンチューニングで弾く。
「ギターを弾く気持ちよさを近道で味わうには、オープンチューニングがおすすめです」
抜群のギタープレーであまたの音楽好きに愛されているReiさんが、ブルーズの名曲をかき鳴らしながらそう話す。強く、やさしく、聴く人の胸を躍らせる弦の音。いいなあ、こんなふうに音楽を鳴らせたら。
「すぐ楽しめますよ」と頼もしい一言。とはいえ普通にはじめようとすると、基本のコードなのに押さえ方が難しいものがあったりして、運指を覚える時点で挫折しがちなのだけど……。
「そこはいったん飛ばします。オープンチューニングは、弦を押さえなくてもGやEなどのコードを弾ける方法。一本一本の弦を一般的なチューニングとは違う音程に合わせておくんです。あとは片手でじゃらーんと鳴らすだけ。耳に心地いい音と“弾けた喜び”を味わえます」
自身も5歳の頃、これでギターの楽しさを覚えたそう。
「学校のビッグバンドがジャズブルーズを演奏してるところへ、オープンチューニングにしたギターで参加しました。自由にジャカジャカ弾くだけで、ちゃんと合奏できたのが嬉しかったな。
ブルーズはコードを3つしか使わないので、好きな曲を流しながら即興で合わせるのもラク。一人でもはじめやすいんです」
なるほど!ではオープンチューニングのまま別のコードを鳴らすにはどうしたらいい?
オープンチューニングに挑戦!
まずはスマホアプリで音程を調整。
通常のチューニングは、6本の弦を「EADGBE(ミラレソシミ)」の音程に合わせるが、例えば「DGDGBD(レソレソシレ)」にするのが「オープンG」というオープンチューニング。弦を押さえなくてもGのコードが鳴る。
スライドバーがあれば
弾けるコードが増える。
「ぜひ覚えてほしいのがボトルネック奏法。スライドバーという金属やガラスの筒を指にはめ、それを弦に当ててコードを鳴らす方法です。バーを好きな位置に滑らせればコードが変わる。オープンチューニングの状態でいろんなコードが弾けるんです」
最後に、これからギターを買う人へのアドバイスも。
「ギターで友達を作りたいのか、一人の時間を充実させたいのかで選ぶのがいいと思います。前者なら、セッションしやすいエレキやアコースティックギター。
ギターをはじめると、年齢や国籍を超えたコミュニケーションも生まれやすいんですよね。一人で没頭したいならクラシックギター。弾きながら歌うのも楽しいし、音の中を漂うようにポロンポロン響かせるだけでもヒーリングになるはずです」