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グルマン温故知新:代々木〈小料理 よし田〉全国各地の生産者とのネットワークが強み

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「魚がおいしい、飲める店」。好漁場と腕利きの漁師に恵まれ、魚食文化が花開いた日本。旨い魚と酒があれば、言うことなしだ。代々木には全国から集まる魚が目立つ小料理店がオープン。酒のセレクトも十分。さあ日本の魚を食べに行こう。

photo: Shin-ichi Yokoyama / text: Mamiko kume

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小料理 よし田(代々木)

全国各地の生産者とのネットワークが強み

代々木に位置するこちらは台湾や香港からの訪日客向けの観光情報サイト「樂吃購(ラーチーゴー)!日本」を運営する会社が母体。全国から集まる情報を発信する中で培ったネットワークを生かし、「食は日本の魅力であり、強み。各地方で紹介されたおいしいものをダイレクトに味わう場を」と、初の飲食店をオープンした。

品書きに並ぶのは、各地の生産者から届く素材をシンプルに生かした和食の数々。中でも自慢は「究極の血抜き」と言われ、保存性を高める津本式で仕立てた鮮魚。熟成された旨さが際立つお造りは、醬油とワサビで食べさせるだけでなく、なめろうや多彩な薬味を添える等、ひとひねりとアレンジが効いている。

自然栽培の野菜や無農薬の国産米、長期肥育で10㎏にも成長するさつま極鶏大摩桜(だいまおう)に、ハーブを配合した飼料で育つ十勝牛など、魚以外の素材へのこだわりも多々。日本酒も幅広く、ナチュラルワインも揃う。日本を体験し、味わえる新店だ。

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