Eat

Eat

食べる

グルマン温故知新:錦糸町〈中華料理 徳武〉師匠の味を受け継ぎ、町の人に愛され続ける

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「ちょっといい町中華」。ここ最近、中華料理の元気がいい。新店続々、さらには中国から有名店が進出するわ、中国帰りのシェフがホテル中華を率いるわなど、新しい動きも多々。そんな中、日々の暮らしに馴染む、ちょっといい町中華もできています。早速、今晩行ってみませんか。

photo: Yoichiro Kikuchi / text: Michiko Watanabe

連載一覧へ

中華料理 徳武(錦糸町)

師匠の味を受け継ぎ、町の人に愛され続ける

錦糸町で長~く愛され、惜しまれつつ昨年クローズした〈中国酒家 大三元〉。高校在学中にアルバイトを始め、卒業後、そのまま就職したという徳武信哉シェフ。〈大三元〉を率いた齋藤喜仁シェフから薫陶を受け、気がつけば27年。閉店に伴い、独立を果たした。

大三元ロスの常連のために、もとあった地からそこそこ近い場所に物件を探した。名物のカイワレがたっぷりのった「汁なし辣醬麺」も〈徳武〉に引き継がれ、健在だ。

徳武シェフの料理は、材料を惜しまず、手間を惜しまず、家族全員で安心していただけるものばかり。おまかせコースもあるが、まずはアラカルトで楽しみたい。一見、町中華のようにも見えるが、フカヒレやアワビ、カニ、大エビ、ホタテ、さらには飲茶(ヤムチャ)まで揃う、本格広東料理店なんである。

でも、町行く人が気軽に使える親しみやすさ。徳武シェフの人柄がそんな雰囲気を醸し出す。毎日行きたくなる、優しい中華料理店だ。

連載一覧へ