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グルマン温故知新:青山一丁目〈てのしま〉日本料理を身近に。“みんなの和食”あらわる!

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「炭水化物上手な和食」。日本各地の郷土料理をわかりやすく再構築する和食。素材にこだわり、手間暇かけた料理と「麺」で決め打ちする。糖質オンで気持ちも上がる、注目店が登場です。

Photo: Yoichiro Kikuchi / Text: Mamiko Kume

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てのしま(青山一丁目)

日本料理を身近に。“みんなの和食”あらわる!

店主の林亮平さんは京都の老舗料亭〈菊乃井〉出身。本格的な日本料理=懐石料理、懐石料理=高級。そんな世間のイメージを払拭しようと¥10,000のコースで目指すのは、ハレとケの間にちょうどいい身近な和食店だ。

9品からなるコースは、前菜、お椀、お造り、魚料理、満足度を高める肉料理もあり。決めの一手は、てのしま寿司だ。季節感のある三角のいなり寿司に、締め加減も抜群な棒寿司2種の3点盛りでインパクトは絶大。シャリは江戸好み、仕立ては京都。そのセンスが林さんらしい。

〆のにゅうめんは「お吸い物」の位置づけ。ハレの食材である昆布でなく、ケのいりこだしを使用。修業時代、伝説の料理長に学んだ「お椀のルール」に則り、味が一番わかるという料理の寸法(口中体積)と器の大きさも考慮し、旨味たっぷりのだしでシンプルに食べさせる。

現代的に表現した日本料理を「肩肘張らず、カジュアルに」と林さん。願ったり叶ったり。

青山一丁目〈てのしま〉店主の林亮平さん
海外経験も豊富な林さん。
青山一丁目〈てのしま〉店内
〈SUPPOSE DESIGN OFFICE〉が手がけた「土間のある台所」がコンセプトの意匠も見どころ。

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