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グルマン温故知新:門前仲町〈Santépices〉香り立つ料理を、6席のカウンターで

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「ニュアンスのあるビストロ」。ベースはシンプル、王道。でも鮮烈なスパイス使いや洋食との掛け合わせで、味の印象はぐっと鮮明になる。キャラの立ったビストロの新店が東京の東側に相次いで登場し、早くも話題に。ディナーコース1万円以内、ワインの提案も楽しい。お見逃しなく!

photo: Shin-ichi Yokoyama / text: Kei Sasaki

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Santépices(門前仲町)

香り立つ料理を、6席のカウンターで

地元の人が日常使いする大衆中華や蕎麦店が並ぶ下町の住宅街に、町の外からも人を呼ぶ店が誕生した。カウンター6席を一人で切り盛りするのは沼田大貴シェフ。

専門学校時代にフランスで1年学び、東京ではビストロからパティスリーまで幅広く修業。独立前に勤めた新富町〈ビストロシンバ〉で、スパイスが香る料理に衝撃を受け、そのスタイルを踏襲している。

今の時季、冷製のスープには、レモンの皮やカルダモンで爽やかさを添え、魚介の温かい前菜はターメリックなどのブレンドスパイスで、エキゾティックな味わいに。スパイスのみならず、魚料理には高知県産のスジアオノリで磯の香りを添えるなど、表現は多彩。

コースにメリハリが生まれ、ワインに寄り添う味になる。ワインは修業時代から親しむナチュラルが基本。東東京のナチュラルワイン激戦区、水天宮前や清澄白河なども徒歩圏内とあって、新たな人の流れ、町の動きを生みそうだ。

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