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グルマン温故知新:参宮橋〈SAM〉ピッツァと薪焼きつまみのワンオペ酒場

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「住宅街でピッツァ」。すっかり日本に根づいたナポリスタイルの薪焼きのピッツァ。みんな大好き、イタリア発の粉モノ自慢の店が、参宮橋の住宅街にお目見えした。経験豊かな店主が立つ店は貫禄さえにじむ安定感で、早くも人気沸騰中。

photo: Shin-ichi Yokoyama / text: Kei Sasaki

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SAM(参宮橋)

ピッツァと薪焼きつまみのワンオペ酒場

小学校の卒業文集に書いた好きな食べ物が「ピザ」だった。とろけるチーズとトマトソース、生地のハーモニーは“永遠の大好物”。「好きなものが作れるから」ピッツァイオーロになった、後藤崇暁(たかあき)さんの店である。

薪窯焼きのピッツァの脇を固めるのは、クラフトビールとナチュラルワイン。国産の全粒粉を使った生地の、軽く香り豊かで深い味わいは、確かにおすすめのビールやワインの飲み心地と通じる。窯焼きの野菜や魚介も、捻りが効いた飲ませる味だ。

修業先は三鷹の繁盛ピッツェリア〈武蔵野カンプス〉。1日約200人が来店する大箱で6年、生地の発酵と薪火での焼成のリズムを体に叩き込んだ。

店名には敬愛するブルワー、米・ポートランド〈ヴォン・エバート〉のサム・ぺコラーロの名を頂いた。イタリアというルーツを踏まえつつ、生地作りもビールやワインの提案も国の枠を超えて。確かな味と自由な空気が、参宮橋の住宅街に人を呼んでいる。

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