pulse（代々木公園）
フランス料理への憧憬に満ちた、期待の新星
小学生のときに親戚の結婚披露宴で食べた「伊勢エビのテルミドール」でフランス料理に開眼した、オーナーシェフの大村隆亮さん。脇目も振らずに料理人を志し、調理師学校卒業後は〈シェ松尾〉へ。その後は銀座〈THIERRY MARX〉を経て、2019年に最初のレストランをオープンするも、ビルの取り壊しに伴い閉店。移転し、店名もコンセプトも一新した店を構えた。
極み鴨のロースト ジュドキャナールソース
軟らかく脂ののったカモの胸肉は、塩だけで下味をつけて皮目からロースト。高温で表面を焼き、途中2度ほど休ませることで中はジューシーに。カモのだしに赤ワインを加えたソースと合わせた王道の仕立てで。ロイヤル コペンハーゲンのプレートも美しい。5,720円（価格は2名分、写真は1名分）。
自家製シャルキュトリー盛り合わせ
2週間熟成の神威豚とカモのパテ・ド・カンパーニュや栗の蜂蜜とトリュフの香りを添えた白レバームース、断面の美しいさまざまなテリーヌ、豚トロやカモのスモークなど7種類をアソートで。3,740円（2名分）。
pulseのブイヤベース
スープにはオマールの頭、ワタリガニ、魚のアラのほか、生け締めの鮮魚も1尾丸ごと使い濃厚な味わいに。具材は真鯛やムール貝、エビにタコも。5,500円（価格は2名分、写真は1名分）。最後は＋1,320円でリゾットに。
料理は、産地を訪れて吟味した食材をガストロノミーレストラン仕込みの技術で仕上げたもの揃い。メニューには自家製のシャルキュトリーや伝統的なソースを使う肉料理の名が並ぶ。が、店の雰囲気はあくまでカジュアルなビストロという“ビストロノミー”を標榜する。ワインはナチュラルが中心だ。
1皿と1杯からOK。遅い時間はワインバーとして、週末は昼飲みに対応という営業形態も、自身が愛するフレンチを、多くの人に身近に感じてほしいという思いの表れだろう。
カウンターとガス台の前を軽やかに行き来し料理を仕上げる大村さん。 
ミントグリーンとオレンジをキーカラーにした店内。
