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グルマン温故知新:虎ノ門ヒルズ〈falò+〉炭火+発酵の妙味を楽しむ車座イタリアン

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「16時からの発酵酒場」。全国北から南まで、土地に根ざした発酵食品がある日本は、世界でも類を見ない“発酵大国”だ。そして、酒もあまねく発酵物。相性がいいのは言わずもがな。イタリアンが、発酵の要素がある新店を開いた。幸福の16時開店。

photo: Shin-ichi Yokoyama / text: Haruka Koishihara

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falò+(虎ノ門ヒルズ)

炭火+発酵の妙味を楽しむ車座イタリアン

厨房の中央にある焼き台をカウンターでぐるりと囲む焚(た)き火のような雰囲気が楽しい、代官山のイタリアン〈falò〉。そのスタイルを踏襲しつつ「発酵」というキーワードを加えた姉妹店が、虎ノ門ヒルズの“第4のタワー”にお目見えした。

シェフに抜擢されたのは、4年前から〈falò〉に入り、シェフの樫村仁尊さんの下で経験を積んできた江口拓哉さん。

「発酵調味料の醸し出すコクや旨味、酸味は、主役の食材を底上げしてくれて料理の味わいに厚みが出る」と、味噌や醤油などさまざまな発酵調味料を店で手造りしている。床下収納には、出番を待つ樽や瓶がぎっしりと。

豚の熟(な)れ鮓(ずし)と白インゲン豆味噌を添えたパテ・ド・カンパーニュや炭に埋めて焼くキャベツ、自家製の塩辛を使うイカ墨スパゲッティなど“とりあえず”の一品から〆のパスタまで、スタッフの「新しさをプラスした、ほかにはない味を!」という意欲みなぎる、イキのいい新店だ。

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