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グルマン温故知新:市ケ谷〈スパイス欧風カレーPAIKAJI〉欧風ながら南国情緒も漂うヘルシーカレー

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「冬の寒さに効くカレー」。すっかりお正月気分も抜け、寒さ募る頃。じわじわっと汗ばむほどスパイスが効いたカレーはいかがだろう。スパイスには漢方薬に使われているものも多いから、いわば薬膳。一皿食べれば、力が湧く。丁寧に手をかけた、体に優しいカレーで冬を乗り切れ。

photo: Shin-ichi Yokoyama / text: Noriko Watanabe

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スパイス欧風カレーPAIKAJI(市ケ谷)

欧風ながら南国情緒も漂うヘルシーカレー

パイカジとは南の風のこと。「幸せを運ぶ風のことなんです」と、店主の戸塚勝敏さん。妻の泰子さんと、石垣島で人気のビストロを営んでいたのだが、カレーが好評で、東京でのイベントに呼ばれるうち、東京でやってみるかということに。

注文を済ませると、まず登場するのが“フォン”。店主が毎日7〜8時間、4日間煮込んでとったもの。このフォンをカレーをはじめ、料理に使っているので、まずはそれを味わってもらいたくて、とのこと。オーブンで焼いた鶏ガラと牛スジ、よく炒めたタマネギ、ニンジン、ニンニクを合わせて煮込む。カレーに使うスパイスは9種類。鮮烈な香りの島コショウ、ピパーツが入り、パイナップルとココナッツミルクを加える南国風だ。「できる限り体に良い食材やスパイスを使って、グルテンフリーで仕上げています」。スッキリ味。体に馴染んで負担がない。これぞ、沖縄ならではの“ぬちぐすい(命の薬)”だ。

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