手打蕎麦 nobu(高田馬場)
蕎麦に惚れ込み、蕎麦屋に転身した博士の蕎麦
店主・藤井信勝さんは、あえて裏通りの目立たない場所を選んで店を構えた。木の葉が風に揺れてこすれ合う音が聞こえるような静かな場所で、お客様に蕎麦に向き合ってほしいと考えたからだ。
店主のバックグラウンドがユニークだ。バイオの研究で博士号を取得。製薬会社に勤務し、在宅医療に携わっていたが、あるとき、巣鴨の名店〈手打そば菊谷〉で「唎き蕎麦」を食べて衝撃を受けた。蕎麦の味わいや香りの違いに触れ、その底知れぬ魅力に惚れ込む。
一大決心をして弟子に入り、7年後独立。無事に店を構えた。といっても、現在も非常勤で勤め人を続けるダブルワーカーゆえ、店を開けるのは土日のみだ。
蕎麦には禅の精神が宿る。呼吸を整え、心静かに蕎麦を手繰れば、それは禅なり、と店主。蕎麦前には、ひとクセある日本酒と手頃なつまみが揃う。秋深い週末のひととき、しっとりと蕎麦を味わいたい。




