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グルマン温故知新:新富町〈mehishiba〉細やかな野菜料理が味わえる、隠れた小箱

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「野菜自慢」。既存のジャンルにはとらわれず、そして食後感は軽やかながら、味と香り豊かな旬の素材の力強さが印象に残る。季節の恵みを味わえるカウンターへ出かけよう。

photo: Kanako Nakamura / text: Haruka Koishihara

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mehishiba(新富町)

細やかな野菜料理が味わえる、隠れた小箱

ちょっと不思議な響きの店名は「雌日芝(めひしば)」というイネ科の雑草の名から。店主・鈴木研さんの植物愛が垣間見える。

野菜料理に力を入れる新富町のイタリアン〈クーリ〉で6年、自家菜園で野菜を育てる和歌山のイタリアン〈ヴィラ・アイーダ〉で1年。野菜に縁深い店で経験を積んだ。その後、渋谷の〈Bistro Rojiura〉で4年間シェフを務め、このたび独立。馴染みのある街に店を構えた。

8皿からなるコースの料理は、どれも多種多彩な野菜が使われる。扱うのは、在来種を中心に自家採種を行う長崎・雲仙〈田中たねの農園〉や、イタリア野菜や豆類に強い和歌山〈小川農園〉、そして中東、南米などの珍しい外来品種の野菜も育てる千葉・柏〈吉野ハーブファーム〉などから届く素材だ。

位置づけは「魚料理」でも添える野菜を発想の起点にするなど、料理の組み立ては野菜コンシャス。旬が移り行くごとに料理もガラリと替わりそうだ。

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