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グルマン温故知新:静岡・御殿場〈Maison KEI〉パリの3ツ星シェフが考える、ローカルの表現

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「グリーンレストラン」。世界的トップシェフと老舗和菓子店のコラボ。緑に加え、ローカルガストロノミーや食農一体型レストランの新しい形が見える。

photo: Yoichiro Kikuchi / text: Kei Sasaki

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Maison KEI(静岡・御殿場)

パリの3ツ星シェフが考える、ローカルの表現。

パリ〈レストランケイ〉の小林圭シェフが、老舗和菓子店〈とらや〉とタッグを組み、静岡県御殿場市にレストランをオープン。フランスのミシュランガイドでアジア人初の3ツ星を獲得というビッグニュースから約1年。5年余りの準備期間を経て満を持しての開業が、奇しくも星に祝福された形だ。

「素材には旅をさせない」というのが小林シェフの考え。パリの店のシグニチャーでもある「ジャルダン・ドゥ・レギューム・クロッカン」は地元・静岡の野菜やマスを使った御殿場エディション。すべての皿の主役は、地産野菜や近海の魚介など、足元で育まれる食材だ。

さらに「まずは地域に根ざした店にしたい」と、コースはディナーでも¥5,000台から。トップシェフが手がける店としては破格で、その考えも斬新だ。とはいえ店を囲む木立の先に、富士山を望む好ロケーション。県外、海外の多くのフーディーも予約の機を狙っているはず。

静岡・御殿場〈Maison KEI〉料理長の佐藤充宜さん
料理長は〈レストランケイ〉でスーシェフも務めた佐藤充宜シェフ。
静岡・御殿場〈Maison KEI〉店内
大きな窓が開放的な店内。建築設計は内藤廣が手がけた。

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