HOPPERS（茅場町）
スパイスの名手によるモダンスリランカ。
2003年に押上〈スパイスカフェ〉を開き、南インド料理をベースに、日本の食材の魅力を引き出すスパイス料理を提案してきた伊藤一城さん。新たな一手として、再開発によって個性的な店が増えつつある兜町に、スリランカ料理店を開いた。
「スリランカ料理をベースにしたメニューは〈スパイスカフェ〉でも以前から作っていましたが、新店のテーマは“日本から世界に向けて発信する新・スリランカ料理”です」と伊藤さん。
「スリランカ定食（ライス&カリー）」国産のバスマティライスの上に、副菜9種が。上から時計回りに、「エッグバドュン」「パパダン」「ポルサンボル」「イワシの丸干し」「パリップ」「ナスのモージュ」「アルテルダーラ」「ケールサンボル」「ビーツのカレー」。カレーは「岩中豚を使ったシナモン、クローブ、カルダモンの辛口カレー」。1,650円。 
「スターター」 夜のコース6,600円の1皿目。店名の由来である、ココナッツと米粉の生地で作る「ホッパー」は定番。黒コショウとトリュフオイルが香る。サワラと九条ネギのクリームコロッケ、エビとマサラの笹の葉包み焼きとともに。 
「岩中豚のロースト」 ゴラカソース フェネグリークコースの3皿目。岩中豚はロゼ色の火入れで仕上げ、赤ワインのソースにはスリランカ固有のスパイス「ゴラカ」で酸味とほのかな燻香をつけている。素揚げしたカレーリーフと苦味を加えるフェネグリークを添えて。
昼はスリランカでポピュラーな定食「ライス&カリー」を。ご飯に複数のおかずを盛ってカレーとともに食する本場のスタイルは踏襲しつつ、産地直送の旬の野菜を使い、種類も豊富にしてぐっとグレードアップ。
一方、夜のコースは白湯で始まり前菜、スリランカ固有のスパイスを巧みに効かせた魚・肉料理にカレー……と続くが、食後感はあくまで軽やかで心地よい。スリランカの知恵と日本の素材とが、美しく結実している。
