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グルマン温故知新:新宿御苑前〈GRIN〉名店のレシピを継承した、野菜を味わうためのピザ

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「“ピザ”・脱・ナポレターナ」。日本のピザに変革の波が起きている。1990年代の大流行を経てシーンを席捲したナポリ風“ピッツァ”に代わり、小麦粉をはじめ国産食材を主役にしたメイド・イン・ジャパンの味が続々と台頭中だ。先駆けの味を引き継ぐ店を紹介。

photo: Shin-ichi Yokoyama / text: Kei Sasaki

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GRIN(新宿御苑前)

野菜を味わうためのピザ、名店のレシピを継承

ナポリピッツァ全盛の2001年に代々木上原に開業し、窯焼き野菜の店として独自のピザを打ち出した〈エンボカ〉。2年前、惜しまれつつ閉店したが、ファンの多かった野菜を味わうピザのレシピを継承するのがこの店だ。ビジュアルもグラフィカルなピザを中心に、オリジナルの窯焼き料理を提供する。

生地は、北海道産小麦・はるゆたかがベース。空気を含む軽い仕上がりで、もちっとして歯切れが良く、窯焼きで旨味を凝縮した野菜と引き立て合う。野菜は、自然農法に取り組む契約農家のものを厳選している。「生地と野菜を味わう、という基本はそのまま、野菜の発酵ペーストを加えるなどの工夫もしています」と、料理長の佐々木幸治さん。

発酵由来の旨味は、店が推すナチュラルワインと合うからだ。野菜のピクルスやウフマヨなどのスターターも豊富だから、酒場としても楽しめる。窓の外は新宿御苑という立地も、どこか異国情緒があり新鮮だ。

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