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グルマン温故知新:新富町〈ふぐ倶楽部 ビルヂング〉引き出しが多く奥深い、フグ尽くしのコースを

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「フグは鍋より、焼きで」。フグといえばまあ鍋が主流な中、焼肉スタイルで提供する新店が登場。仕掛け人は日本のフグ消費量の約5割を占める関西・大阪出身。エレベーターのないビル上階という立地だが、辿り着けばパラダイス!フグ愛が増すはず。

photo: Shin-ichi Yokoyama / text: Kume Mamiko

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ふぐ倶楽部 ビルヂング(新富町)

引き出しが多く奥深い、フグ尽くしのコースを

「フグは日本の食材の誉れ。食べ方が確立されているため湯引きにてっさと昔から変わっていない。フグの魅力を余すことなく伝え、東京でもっと慣れ親しんでもらえたら」とは、店主の宮脇崇さん。フグに魅了され、東銀座を皮切りに専門店をオープン。7店目となるこの新店では焼きフグをメインディッシュにしたコースで勝負する。

すでに常連も多くリピートスピードが速いとあって、創意工夫の凝らし方が半端じゃない。ある日は卵巣の粕漬けをトッピングした麺に焼き白子ご飯、あら身は中華風にアレンジし、香味蒸しで。定番のてっさも熟成させて旨味をアップ。焼きフグは異なる部位を用意し、特製たれで味つけ。女将が一枚一枚丁寧に焼き上げるこだわりようだ。

食感は鶏もも肉のような弾力があり、満足度はこの上なく高い。「できれば骨までしゃぶりついてほしい。おしぼりくらい、いくらでも交換しますよ」と店主。焼きフグブーム到来の予感。

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