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グルマン温故知新:高田馬場〈Fry家〉上品なフライのコースに誰もが胃袋を掴(つか)まれる

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「揚げもの祭り」。揚げもの好き諸氏に告ぐ。大人のいい店できてます。肉も魚介も野菜も軽やかに揚げてくれるフライ専門店。酒も進めば、ご飯も進む。『BRUTUS』1000号記念は元気よく、揚げ揚げでいきましょう。

photo: Shin-ichi Yokoyama / text: Michiko Watanabe

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Fry家(高田馬場)

上品なフライのコースに誰もが胃袋を掴(つか)まれる

その名の通り、フライ専門店。フライといえば、腹ペコ胃袋をガッツリ満たしてくれる料理の代名詞だが、ここのフライはひと味違う。“飛ぶ”ように軽くて上品なのだ。軽いからすっとどこかへ消えていく。夜はコース仕立て。少量多皿で1品ずつ丁寧に揚げてくれる。肉だけでなく、魚介も野菜も変化に富んだ内容だ。あれこれ食べてみたい人には、最高の趣向である。

肉系のパン粉は粗め、油はラードと菜種油、温度は低めで。パン粉も特製だ。魚介系のパン粉は細かめ、高温の太白ゴマ油で揚げる、と西山道泰シェフ。スイスと日本でミシュランの星を獲ったこともあるという、ベテランである夜のコースに登場する口直しのお浸しなどの一品料理が、さりげないのに味わい深く、さすがと感じる。

夜のコースの〆麺はキリッと冷たく、だしもおいしく、スダチの酸味できっちりと締めくくれる。ドリンクも充実。ソムリエの小亀裕二さんに相談ね。

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