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グルマン温故知新:学芸大学〈干支屋〉高架下で気を吐く、硬派な酒場

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「赤坂育ちの酒場」。赤坂で24年続く名居酒屋での修業経験を持つ、酒場好きの主が開いた大衆酒場。大人の飲み手が集う、赤坂の名店出身の新鋭だ。

photo: Shin-ichi Yokoyama / text: Haruka Koishihara

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干支屋(学芸大学)

学芸大学の高架下で気を吐く、硬派な酒場

流麗な筆致の料理名がびっしりと並ぶお品書きは圧巻。その数、常時100種超。しかも10日に1度は約1割が入れ替わる。

店主の広瀬羊石(ようすけ)さんは、酒場通いが高じて、自分の好きな店で経験を積んだ。徳島料理が評判の三軒茶屋〈名西(みょうざい)酒蔵〉を皮切りに、その師匠筋に当たる赤坂の名居酒屋〈まるしげ夢葉家〉へ。さらに、学芸大学の人気店〈ひとひら〉の店主に見込まれて6年半在籍。店長を務めた。

勝手知ったる街での独立。「刺し身・おばんざい・天ぷら」を三本柱に据える〈ひとひら〉のスタイルを踏襲しつつ、野菜料理や締めも充実させ、オリジナリティを発揮。おばんざいに使う切り干し大根や、ひそかに人気の「ソルティスパイシートマト割」のセロリソルトなども自家製と、細部まで手をかける。

酒の充実ぶりも料理同様。焼酎・日本酒とも味の方向性を幅広く揃え、それぞれ20種以上の銘柄が。いやはや、食いしん坊&飲ん兵衛泣かせの新星だ。

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