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グルマン温故知新:三軒茶屋〈Cosi Com’ē〉素材選び、香りと酸味で個性を出すテクニシャン

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「世田谷、住宅街のイタリアン」。都心で修業しながらあえて世田谷の住宅街へ。型にはまらないアレンジが魅力のカジュアルな新店。アクセスのハンデもなんのその。ナチュラルワインががっちり脇を固め、人の流れを変えるほどの吸引力は絶大!

Photo: Yoichiro Kikuchi / Text: Mamiko Kume

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Cosi Com’ē(三軒茶屋)

素材選び、香りと酸味で個性を出すテクニシャン。

〈アロマフレスカ〉グループを経て、広尾〈ボッテガ〉へ。オーナーシェフの井村俊介さんは名店での経験をベースにしつつも、「何料理かと聞かれればイタリアン」という制約のないフレキシブルなスタンスを貫く。

毎日書き換えられるノートのメニューは、3部構成。水茄子のバーニャカウダ、ギアラの肉じゃがといった前菜はうんと自由なアレンジで。ミートソースやワタリガニのパスタは、手打ちもこなす多才ぶり。メインは直球の「焼きっぱなし」か。あるいは赤ワインで甘く煮込み、ゴルゴンゾーラで塩味を添えて崩しながら味わう牛ほほ肉など、ひねりのある「煮込み」か。いずれにしても素材の組み合わせがめっぽう面白く、フルーツやビネガーの酸味、ナツメグをすりおろすなどスパイス使いで「そう来ちゃう」感満載の旨さ。

シンプルなのに惹かれる軽妙洒脱なアレンジに、タクシーを使ってでも食べに行く。そんな熱烈ファンがただ今急増中だ。

三軒茶屋〈CosiCom’ē〉オーナーシェフの井村俊介さん
オーナーシェフの井村俊介さん。サービスは奥様が担当。
三軒茶屋〈CosiCom’ē〉店内
「家の近所」で当地に。店内をドライフラワーがセンス良く彩る。

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