Chinese Restaurant 晴華（木場）
本場の味も進化させる剛腕シェフのコース料理
がたいがよくて、やや強面（こわもて）。だけどしゃべり上手で親しみやすいオーナーシェフの大胡晴雄さん。築地〈一凛〉や有楽町〈TexturA（テクストゥーラ）〉と、人気店の料理長を経験した実力は健在だ。
コース料理のメインは全国各地の優れた食材。名物よだれ鶏は兵庫・丹波高坂地鶏にこだわり、「野菜も食べてほしい」と蒸しナスや焼きパプリカをプラス。昆布とカツオ節のだしを使い、たまり醤油で和風の自然な旨味を加える工夫も上々だ。
目玉食材は宮崎・都城市〈なかつファーム〉のくるみとん。肉多めの餃子やお持ち帰り用のカツサンドに。とりわけ四川の定番料理、雲白肉（ウンパイロウ）はスペシャルな一品だ。本来は冷製だが「温かく出したい」と豚バラを蒸して軟らかくし、辛味より香りという自家製ダレで食べさせる。
雲白肉
甘味のある脂としっとりとした肉質が特徴のくるみとんだからこそ実現した肉料理。ゆでた豚肉を冷やして落ち着かせ、仕上げに蒸して提供。薄くスライスしたキュウリは冷やしすぎず、脂身の温度とのバランスを考慮する。香辛料を加え、香りを重視したタレを合わせる。料理はすべてコース8,800円～。
よだれ鶏と餃子
〈TexturA〉時代から受け継ぐ人気メニュー。餃子は皮から手作りでくるみとんの挽き肉を使う。「キャベツ4に対して肉6。そのままでも十分おいしい肉餃子です」と大胡さん。味変によだれ鶏のタレをつけても楽しめる。
麻婆豆腐
肉豆腐をイメージし、旨味の強い和牛のスネ肉を選んだ大胡さん。「挽き肉は8㎜、12㎜、16㎜と3種類挽いてもらい試行錯誤しました。タレに負けないだけの肉の味わいが感じられます」。ご飯が止まらなくなる。
「生産者の思いも乗せて料理を提供し、木場の街を盛り上げたい」と大胡さん。現在、金華ハムや鶏のだし、麻辣（マーラー）ダレで味わうおでんも試作中。期待大。
探究心旺盛でアイデアマンの大胡シェフ。目下の課題はおでん。 
臨場感溢れるカウンター席に子連れにも優しいテーブル席も。
