anchoa(鎌倉)
地場産食材を深掘り! 魅惑のスパニッシュ。
代々木八幡〈アルドアック〉のシェフ酒井涼さんが9年目にしてカウンターを卒業。「テーブルで落ち着いて料理を堪能してほしい」と心機一転、鎌倉へ。海のある町で「地場の食材を深掘りした方がスペイン料理らしいでしょ?」と何やら楽しそう。
メニューはバスク郷土料理コースとデグスタシオンコースの2種類。前者はクラシカルな料理で構成し、後者はスペイン全土の郷土料理をベースに現代的な軽さを追求する。
酒井さんの料理を象徴するのが、店名にも冠しているイワシ料理だ。新鮮なまま酢で軽く締めて追いアンチョビし、合わせるのはニンニクとアーモンドで作る白いガスパチョ。相模湾の魚のエキスが凝縮したスープで炊く具なしのアロスアバンダもシグネチャーの一つで、見た目は地味でも圧倒的な味わいに言葉を忘れる。
ピンチョスもアロスアバンダも一口食べれば気分はスペイン。窓の外の江ノ電を眺めながら、パラレルワールドを満喫して。