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グルマン温故知新:鎌倉〈anchoa〉地場産食材を深掘り! 魅惑のスパニッシュ

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「都心から鎌倉へ」都心のグルメ激戦区で経験を積み、海の街に拠点を移したシェフ。神奈川産食材を使って本番の郷土料理をコースで仕立てるスペイン料理店。美味を求めて、いざ鎌倉!

Photo: Shin-ichi Yokoyama / Text: Mamiko Kume

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anchoa(鎌倉)

地場産食材を深掘り! 魅惑のスパニッシュ。

代々木八幡〈アルドアック〉のシェフ酒井涼さんが9年目にしてカウンターを卒業。「テーブルで落ち着いて料理を堪能してほしい」と心機一転、鎌倉へ。海のある町で「地場の食材を深掘りした方がスペイン料理らしいでしょ?」と何やら楽しそう。

メニューはバスク郷土料理コースとデグスタシオンコースの2種類。前者はクラシカルな料理で構成し、後者はスペイン全土の郷土料理をベースに現代的な軽さを追求する。

酒井さんの料理を象徴するのが、店名にも冠しているイワシ料理だ。新鮮なまま酢で軽く締めて追いアンチョビし、合わせるのはニンニクとアーモンドで作る白いガスパチョ。相模湾の魚のエキスが凝縮したスープで炊く具なしのアロスアバンダもシグネチャーの一つで、見た目は地味でも圧倒的な味わいに言葉を忘れる。

ピンチョスもアロスアバンダも一口食べれば気分はスペイン。窓の外の江ノ電を眺めながら、パラレルワールドを満喫して。

鎌倉〈anchoa〉シェフの酒井涼
渋谷〈サン・イシドロ〉を経て、神楽坂〈バルマコ〉の立ち上げに携わった酒井涼さん。
鎌倉〈anchoa〉店内
小林幹也さんがデザインした店内。

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