「親父が毎週ゴルフに行っていたり、叔父さんが昔〈テーラーメイド ゴルフ〉で働いていたり、幼馴染みがレッスンプロになったり、振り返るとゴルフは身近なスポーツだったんです」。
そう話すのは、今年で結成12年目を迎えた7人組ヒップホップクルーCreativeDrugStore(以下CDS)のラッパーBIMさんだ。
「小学生の時に打ちっ放しで初めてクラブを握り、中学生の頃にはコースデビューも果たして何度か回っていました。ただ、それ以降はバスケ部とアメフト部の活動が忙しくてゴルフとは疎遠になってしまって」。しかし、2014年からCDSの活動をきっかけに再びゴルフに触れるようになったという。
「21〜22歳の当時の俺らは、本当に何もしていなかったんです。だから、遊びを無理やりにでも活動として見せようとCDSのゴルフコンペ『C.D.S. CHAMPIONSHIP』を開催して、その様子をYouTubeにアップしたんです。“ヘタなりにかっこつけてプレーする”っていう面白さと、“ヘタでもゴルフを楽しもう”って気持ちから企画したんですけど、思いのほか盛り上がりましたね」
そのゴルフコンペが開催されたのが、拠点としていた川崎の二子新地から程近くもあった、ここ〈東急ゴルフパークたまがわ〉。以降、クルーの間でゴルフが少しずつ浸透し、in-dさんやVaVaさんも打ちっ放しに足を運ぶことに。そして今回は、2018年に開催された同コンペ以来に、この地にやってきた。
「BIMほどではないんですが、おじいちゃんがアマチュアの大会に出場していたりと、幼い頃からゴルフは近い距離にありました。今日は久しぶりにコースを回ったんですけど、面白さを再確認して完全にハマりましたね。一回ミスると焦って繰り返してしまうから、精神的に鍛えられるとも思いました」と、コンペの前回チャンピオンだったin-dさん。
一方、過去2回のコンペに不参加だったJUBEEさんは今日が記念すべきコースデビューでありながら、なんとトップのスコアを記録した。
「中学校の体育でゴルフの打ちっ放しがあったんですけど、こんなに楽しいものだとは気づいていませんでした。BIMに選んでもらった〈PGG〉のゴルフウェアも気に入ったし、早くまたコースに出たいですね」。
また、2回連続でコンペのブービーだったVaVaさんは、「YouTubeでプロの動画を観て、画面越しで伝わってきた“自分との闘い”を真似しようと思ったんですけど、全く入り込めませんでした(笑)。ゲームでは世界一を獲ったことがあるんですけどね、現実は難しいです」と、悔しさを噛み締めていた。
なんでもBIMさんいわく、同世代のラッパーたちの間でもゴルフ好きが増えているとのこと。「BAD HOPのBenjazzyくんと、KANDYTOWNのKEIJUくんは一緒にコースを回ったことがあるらしくて、いつかみんなで行ってみたいんですよ」
グリーン上で、クルーの枠組みを超えたマイクリレーならぬクラブリレーが繰り広げられ、拝める日も近いかもしれない。