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ジンジャー・ルートの曲と映像作りの秘密。極私的シティポップのベストテンも大発表!

この1月、待望の初来日公演が東名阪でソールドアウト、その後も日本に長期滞在中のミュージシャン、ジンジャー・ルートことキャメロン・ルーが、新宿の昭和歌謡バー〈ヤングマン〉を訪問。本人の希望で、日本語で取材に応えた。

photo: Koh Akazawa / text: Akio Mitomi / cooperation: Hiroko Yabuki, Kazumi Someya / special thanks: YOUNG MAN

大のシティポップ好き、ジンジャー・ルートがついに来日!

「大学生の時に家族旅行で東京に来たことはあるけど、今回が初来日のつもり。大阪や鹿児島にも行けて楽しかった。食べ物では東京・西麻布の〈かおたんラーメン〉がすごくおいしかったね」

シティポップ風味の曲や、歌謡曲番組テイストのMVで、耳の早い人々に知れ渡ったジンジャー・ルート。キャメロンが日本に興味を持ったきっかけは?

「アニメ『美少女戦士セーラームーン』なんかは中学生ぐらいから観て、『ONE PIECE』とか『カウボーイビバップ』『ドラゴンボール』を気に入るみたいな。音楽は高校生の時にYMOを発見して。ほかには放課後の軽音楽部みたいなクラブの先生が、1970年代の音楽を紹介して。ELOとかXTC、ディーヴォ、B−52'sとかずっと聴いていました」

音楽と映像ができるまで

大学では映像作家を目指したが……。「授業はすごく厳しくて、不満じゃないけど、ちょっと別の世界で自由になりたいなって。音楽を作っているとすごく心が落ち着いた感じで。最初に曲ができて、その数ヵ月後に映像をつけるようになりました。曲が完成した後に、ちょっと映像のアイデアを考えます。でも細かい部分は全然決めてないんですけどね」

最新EP『NISEMONO』のビデオでは、失踪したアイドルの代役で歌番組に出演したジンジャー・ルートがスターに。

「『夜のヒットスタジオ』や『ザ・ベストテン』のような歌番組の映像をYouTubeで観ると、すごく不思議な世界だな、楽しそうだなって。僕の世界とちょっと似てる。レコーディングは全部自分で楽器をやるんです。ギター、ベース、キーボード、プログラミング、アルバムカバーも。ミキシングやマスタリングはプロじゃないからほとんどDIYなんですけど、クリアな音が全然できないのが、ちょっと“味”になっていいかな」

と、細かなニュアンスまで伝わる日本語で語ってくれたキャメロンだった。「コロナの時にツアーはできなかったし、ずっと日本語を勉強したいなって感じがあったんですけど、ちょっと試してみようかなって。2年半ぐらい経ちますね。ドラマとかアニメとか、ポッドキャストもよく聴いたり、毎日毎日勉強したから」

ジンジャー・ルートが選ぶ、シティポップのベストテン!

「シティポップのベストテンは?」と聞いたところ「難しい質問です……」と言いつつプレイリストからあっという間にセレクト。6・7位に山下達郎作曲作品を選んだ後、少し迷って「ちょっと定番ですけど、すごく好きだし」と10位を挙げた。

  • 1位
    「タンタンの冒険」大貫妙子
  • 2位
    「LOVE SHOWER」吉田美奈子
  • 3位
    「スローモーション」中森明菜
  • 4位
    「センチメンタル」岩崎宏美
  • 5位
    「OPENED MY EYES」イエロー・マジック・オーケストラ
  • 6位
    「DOWN TOWN」EPO
  • 7位
    「DREAM IN THE STREET」池田典代
  • 8位
    「IT'S ME…IT'S YOU」ラジ
  • 9位
    「日曜日はストレンジャー」石野真子
  • 10位
    「RIDE ON TIME」山下達郎
芸が細かすぎるYouTubeチャンネル。ジンジャー・ルートの音源はSpotifyやApple Musicで楽しめるが、その世界をトータルで表現したMVは、新作が随時公式YouTubeチャンネルにアップされる。現在、日本人バンドのMVも制作中!