小説感覚でインディーゲームを
「一般的に広く知られていないのが勿体ない。ここ数年、カルチャーとしてずっと面白いんですよ」。特集の打ち合わせ初回、ゲームライターさやわかさんの一言がきっかけで、“インディーゲームをゼロから楽しむためのガイド(GOOD INDIE GAME GUIDE 64)”を作ることになりました。
そもそもインディーゲームとは何か。識者曰く、はっきりと定義するのは難しいけれど、大まかに言えば「大手メーカーではなく、個人や中小のチームで制作したゲーム」のこと。さらにそこには、
・プレイ時間が短めでスキマ時間に遊べる作品が多い
・価格も100円単位からあって比較的手頃
・テーマ設定や作りがユニークで面白い
などという特徴が見られるそうです。(忙しい大人にぴったりですね)
これに関連して印象的だったのが、「インディーゲームは表現手段の一つになっている」という話。近年は自分の価値観やアイデンティティ、ごく私的(かもしれない)体験や思い出を盛り込んだ、小説や漫画、ショートムービーを作る感覚でゲームとして表現しているクリエイターがたくさんいる。さらに世界中の作品の中から自分なりに1本を選び取り、“私の体験”としてゲームを楽しんでいる人たちもいる。
そんなふうに、作り手とプレイヤーの人口が増え、作品自体の幅も広がっていくという現象が、インディーゲームの世界で起きています。(特集でお話を伺ったアーティスト、オオクボリュウさんもシーンに身を置くひとり。詳しくは本誌にて)
この構造こそ、識者たちが「いま面白い」と口を揃える理由。はじめての方にもそうじゃない方にも、豊かで刺激的なインディーゲームの世界を自由に味わってもらえたら。そんな思いのもと、今回の企画では全部で64作品を厳選。「ミステリー」「パズル」「ホラー」「探索」「学び」「癒やし」など13のキーワード別に、インディーゲーム愛あふれるプロ3名のコメントを添えて紹介しています。ぜひ本誌を片手に、あなたのお気に入りの1本を探してみてください。