愛って、たまには照れずに
フィルマークスで星5をつけている映画が6つある。『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』『ロスト・イン・トランスレーション』『アニー・ホール』『ラヂオの時間』『ディア・ドクター』『ザ・ビートルズ:Get Back』。私にとってはすべて、愛の映画である。
中でも『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』は、胸が熱くなる親子の物語だ。正反対のようで似た者同士の父と子が、口喧嘩をしながらも進んでいくロードムービー。父は常に息子をからかい半分で「ジュニア」と呼んでいるが、終盤、危機に瀕した息子に手を差し伸べるとき初めて「インディ」と呼びかける。照れる気持ちを愛が超える名シーンだ。
このシーンの良さを初めて私に教えてくれたのは母だった。子供の頃に日曜洋画劇場で一緒に観たとき、インディがナチスから危機一髪で逃れるシーンが大好きなのに、放送ではカットされていると残念がっていたのも母だった。だからというわけではなけれど、親に対しても、幅広く人間関係全般においても、この映画で描かれる親子の姿は自分の一つの理想の形だ。
『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』で描かれる親子愛は、深い信頼で結ばれた友情にも似ている。小さなことですぐにぶつかるが、大事な場面では互いを認める二人。この映画が好きな気持ちは、毎週TBSラジオ『爆笑問題カーボーイ』で太田さんと田中さんの小競り合いを聞いているときの気持ちと全く同じである。この類いの厚い友情にも、自分は弱いのだ。
映画の話をしていたはずが、愛の話になっていた。一冊通してこんな感じで、エモくいきます。