私も取材でリスキングしました。日々の仕事に使える、スキル満載
第一線で活躍するプロフェッショナルの面々が仰ることは、一見自分からは遠いことのように思われるかもしれませんが、今回の「学び直し」特集、じつはなかなかの実用書に仕上がっております。
クリエイティブ・ディレクターの箭内道彦さんに「デザイン思考・アート思考」について伺った時のことです。箭内さんは、広告のクリエイティブ・ディレクターの枠組みをハミ出して、2015年から自身の出身地である、福島県のクリイエイティブ・ディレクターをされています。
たとえば、町内の壁を赤に塗るか黄色に塗るかで揉めた時に「水色でもいいんじゃない?」と言ってみたり、「そもそもこの壁っているんでしたっけ?」ととっぱらったり、クライミングウォールにしちゃったり、と、課題の解決法を二者択一に絞らないでクリエイティブな発想で提案する。
そんな思考法を福島県の職員の方、住民の方たちに投げかけ、一緒に考え、観光誘致の広告制作から米などのプロダクト開発、そして昨年からは、県が設立した、後進を育てるためのクリエイティブ学校の館長も務めています。(その活動の詳細、県の方々が言うなれば“デザイン思考的”になっていく様は、河尻亨一さんとの共著「ふるさとに風が吹く」に詳しいので、ぜひ読んでみてください)
また、企業家の岩瀬大輔さんも、「交渉術」の取材の際に、「より良い課題解決のためには、よりよい関係性を築き、双方がお互いの主張に固執するのではなくて、まったく別の可能性を提示することも必要です。交渉もコミュニケーションですから」と仰っていました。
おぉ、なんか全然違うテーマでお話を伺ったのに、二人の言ってること、繋がってる!仕事や日々の交渉ごとで、迷ったり意見が食い違ったら、こんな方法もあるんじゃない?と相手が全然思っていなかった選択肢を出してこっちのペースに持ち込む、とか様子を伺う、というのは面白い。
実際に、先日も上司との話合いの中で、「こんなのいかがでしょう?」と提案してみました。すると、「そんなふうに考えてなかった!」みたいなことになり、あっさり受け入れられて。「なんか私、プチだけど、リスキリングできてるんじゃない!?」という実感を得て、してやったりの感がありました。
皆さんも、10人のプロフェッショナルが教えてくれた中から、何かご自身の中に引っかかる言葉を拾っていただき、少しずつでも自分のことに置き換えて考えてみてください。今後の仕事の展開に、ワクワクすることが生まれるのではないでしょうか。