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「A Long Vacation 一世一代のバカンスへ。」編集後記:コロナ入社。初の海外出張へ

2023年7月18日発売 No.989「A Long Vacation 一世一代のバカンスへ。」を担当した編集者がしたためる編集後記。

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コロナ入社。初の海外出張へ

というわけで、読者の皆様より一足先に、編集部は海外へ飛んできたわけです。コロナ禍以前とほとんど変わらないほど海外へのハードルが低くなった現在(円安、物価高ではありますが…)、BRUTUSとしては、3年ぶりの海外への旅特集。先輩は、インドネシア、モルディブへと旅立ち、編集チームの予定もインターナショナルな感じになっておりました。

実は2020年コロナ真っ只中に入社した自分にとって、海外出張自体が初めて。編集部の予定を書き込むホワイトボードが、南極、エチオピア、ノルウェーみたいな具合に旅に行っていることもあったとか……。

そんな海外出張に思い焦がれる中で今回の特集担当になった時は、「やっと行ける!」と勇んでリサーチ。最終的に取材先として決まったのが、スリランカと小笠原諸島。どちらも初めて行く場所で、そこで出会えた感動は、「編集者やっててよかった!」と心から思えるものでした。(その感動は誌面で。)

ただ旅といえば、思いがけない体験もつきもの。スリランカでは10分くらいで終わると思った寺院の見学が、裸足で2時間の登山になったり、プールサイドで涼んでいたら影からぬっと野生のバッファローが現れヒヤリとしたり。小笠原では台風のうねりで船酔いに苦しみ、10分間朝ごはんの買い出しに出かけていたら、ウミガメの出産の一番感動的な場面を見逃してしまったり。それもいま思えば、楽園にたどり着くためのステップなわけで。

今回はロングバケーションをテーマにした特集。取材でもある程度長めの滞在をしたのですが、長旅の一番切ないのは最終日です。忙しない都会の日々に戻っていかなければいけない……。

しかし、父島からの帰りは今回体験できた素晴らしい経験の一つ。その出発はとても温かいフェアウェルに見送られます。島の方々が港に集まり「また来てね!」と手を振り、観光船は並走しながら、湾を出るまで見送ってくれる。そしてそこからまる1日。島の温かさに触れてから、24時間かけて船内で少しずつ心をリハビリできる。そんな意味でも、帰途もロングなバケーションもおすすめです。

父島から船で30分ほど行った場所にある南島のビーチ
父島から船で30分ほど行った場所にある南島。珊瑚礁が隆起した島なのでビーチは真っ白。水の透明度も抜群で。まさに一世一代の絶景です。

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