「考えるな、感じろ!」ファインミネラルの世界観
「地球が描く、至高の芸術」を掲げた前作から1年、早くも『珍奇鉱物』特集・第2弾の登場です。今回は魅力的な鉱物標本の中でも、特に芸術性が高い「ファインミネラル」と呼ばれるジャンルにフォーカスしました。その美しさには明確な基準があるわけではなく、このファインミネラルという世界観を理解するには、とにかくお手本となるような一流の標本をたくさん見て感じ取っていくしかないのだそう。「Don’t think, feel!」というわけです。
そこで、現代のトップコレクターのひとりであるドイツのヴィルドファング・コレクションから、「美」をテーマにした唯一の鉱物博物館であるレバノンの「MIMミュージアム」収蔵品まで、時代を代表する超一流標本を一堂に集めました。
中でも特に印象的だったのが、ヴィルドファング・コレクションの「インディコライト」標本。雲海のようなクォーツの上から、日光のごとく伸びたインディコライトが現れる神がかり的な造形美!それまでおぼろげだったファインミネラルの世界でしたが、この標本と出会った瞬間、なにか啓示にも似た衝撃とともに、その輪郭を垣間見た気がしました。
もちろん、こうした素晴らしい標本は簡単に見つかるものではありませんが、石との出会いを繰り返す中で、いつか自分もこんな運命的な標本をコレクションしてみたい!そんな憧れの気持ちを強く抱かせてくれます。
また〈USK MINERALS〉の内田佑介さんのナビゲートで、世界三大ミネラルショーの一つである「ミュンヘンショー」にも訪れました。三大ショーの中でも日本からのアクセスが最も良く、海外ショーへ初めて行くなら一番のオススメ。各国のトップディーラーたちのブースで出会った、よりすぐりのファインミネラルたちも多数紹介しています。
ぜひ、あなたも「運命の標本」との出会いを本誌の中で探してみてください。そして、標本を買うために財布を開くその時こそ、「Don’t think, feel!」。これです。