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「民放ラジオ99局と作る松任谷由実特集 」 編集後記:日本中の誰もが、ユーミンを語りたい

2022年10月3日発売 No.971「民放ラジオ99局と作る松任谷由実特集」を担当した編集者がしたためる編集後記。

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松任谷由実さんのデビュー50周年を祝う大特集です。膨大な作品数で、音楽以外にも文学、映画、ファッションなどあらゆる切り口で語れるその歩みを、今回は「ラジオ」というテーマでたどりました。数えきれないリスナーがその思いを投影し、誰もが自分の思い出を話したくなってしまうユーミンさんの楽曲を、最高の語り手であるラジオパーソナリティの方々に語っていただきたい。そう思い、企画した特集です。ユーミンさんの偉大さと、日本のラジオの質の高さに支えられて完成しました。

さて、僭越ながら私もユーミンさんの思い出の曲を3曲挙げさせていただきます。

1.「ダイアモンドダストが消えぬまに」

幼い頃から親しんでいたのが、車の中などで流れていたベスト盤『Neue Musik』。「ダイアモンドダストが消えぬまに」と「SWEET DREAMS」を、iPod Classicで繰り返し聞いていた高一の春でした。『Neue Musik』はまさに我が家の愛聴盤で、元々は1998年、私の妹が産まれるか産まれないかという時期に、入院中だったユーミンファンの母親に贈るため、父親が買ってきたものだそう。

2.「夕涼み」

学生時代にバイトしていたバーは、ユーミンさんのレコードが全部揃っていて、営業前の一人で洗い物をしている時間に片っ端から聴いていました。中でも好きだったのが『PEARL PIERCE』。「フォーカス」「夕涼み」などA面後半の曲が特に印象に残っています。開店前の18時頃、このあたりの曲がよく合うんですね。安西水丸さんのイラストが贅沢に使用された歌詞カードにも感動しました。

3.「Holiday in Acapulco」

「12月の雨」「サーフ天国、スキー天国」「夕闇をひとり」「サンドキャッスル」など、パーカッションが絡んでくるユーミンさんの8ビートの曲が大好きです。これもその一つ。とにかく好きな曲が多いので、時期によって一番好きな曲は変わりますが、今はこれかも。哀しい気持ちなのに明るいメロディ。まさに「悲しいほどお天気」な、ユーミンさんの真骨頂です。

松任谷由実『PEARL PIERCE』のレコード
『PEARL PIERCE』のレコード。1曲1ページ1イラストの贅沢な作りです。

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